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195-2.自分のためのパーティー

お待たせ致しましたー






 *・*・*













 婚約パーティー当日。



 このお屋敷で、悠花(ゆうか)さん達やアイリーン様達の婚約パーティーを開いて……そこから、まさか私とカイルキア様の婚約パーティーを開くとは思わなかった。



(まだ……一年も経っていないのに……)



 色々あり過ぎた。


 崖から落ちて、前世の記憶を取り戻し。


 カイルキア様に保護され、パン職人として働くことが出来た。


 実はこの世界では、大きな国の王女だとは知らなくて……保護されていたとも知らなかったけれど。



(……まだ、今も実感がわかないけど)



 お父さんが作ってくれた、今日のためのドレスを着て……髪や顔もメイミーさん達に綺麗にしていただいた。


 これ本当に自分? と言えるくらいに、まるで結婚式のように綺麗にしてもらえたのだ。実質、カイルキア様とはいずれ結婚するための発表の場だけれど。



「さあ、チャロナ姫様? 旦那様のところに行きましょう??」



 普段は、王女と私が知る前と同じように接してくださるが、今日は王女として過ごさなくてはいけない。


 お父さん、お母さんにお兄さん。


 他にも親しい人達や関係者。


 身内ばかりの集まりだけど……嬉しさが込み上がって、泣きそうだ。



「……チャロナ」



 メイミーさんの先導で連れて着ていただいた場所には、カイルキア様が待っていてくださった。


 いつも以上に素敵で、かっこよく……だいぶ出てきた微笑みの表情だけで、私なんかノックアウトされちゃうくらい。


 だけど……私はこの人と将来、結婚するために今日たくさんに人達に祝福を受ける。実質結婚式に似ているから……緊張しないわけはないけれど。


 カイルキア様が一緒なら、この先何があっても大丈夫だ。


【枯渇の悪食】などで失ったものもあったが、この世界で得られるものもきちんとある。


 私や皆さんで、世界各国のパンづくりや主食の改善を頑張れば……皆が幸せになれるのだ。


 私に与えられた『幸福の錬金術(ハッピー・クッキング)』の名前のように……世界中の人達が幸福になれるように。



(私自身も幸せになれるのだから……!!)



 差し出された、カイルキア様の手に自分の手を重ねて。


 会場である裏庭に行くと、本当にたくさんの人達……そして、最高神でいらっしゃるフィルドさん達が出迎えてくれた。



「「この子らに、祝福を……!!」」



 快晴なのに、物凄く大きな虹をつくってくださった。


 虹の世界だから……と安直だが、日本に居た時でもこんな大きな虹は見たことがない。


 びっくりしていると……フィルドさん達は跳び上がり、虹に溶け込むようにして消えて行った。



「神からの祝福を受けた、我が娘と甥の婚約を祝おう!!」



 お父さんが乾杯の音頭を担当して、それからはこれまでと同じような婚約パーティーの始まりとなった。

次回は本編最終回‼️

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