表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

819/825

195-1.眞白の神(ディーシア視点)

お待たせ致しましたー






 *・*・*(ディーシア視点)









 フィーと一緒に、眞白(ましろ)の世界に来てから……チャロナやおじい様達がいらっしゃる、虹の世界ではどれほど時間が経ったのだろう??


 私はフィーと結ばれ、永遠なる時の中で……この世界を、地を作り、空を作り、住まう存在達を作らねばならない。


 私達以外の、神々の創造も。


 異界渡りをしてから……こんこんと眠っているだけだが、魂は動いているので身体とは別に動いてはいる。


 フィーはまだ、自分の黑の世界を手放せないので今はここには居ない。


 真っ白な世界に、私はただひとり。


 けれど……この世界でただひとり生まれた時よりは寂しくはない。


 だって、愛する相手がこれから一緒だとわかっているから。



「……ふふ」



 このつぶやきだけで、どれほど他の世界での時間流が違うかもわからない。


 チャロナは……カイルキアと婚約したのかしら??


 もう結婚しているのかしら??


 とっくに子供が出来ているのかしら??


 まだ、私には瞬きの時間だけれど……あの子が作っていたパンがちょっと恋しい。


 この世界に来たことで、私は簡単に他の世界には異界渡りが出来ない。


 クロノソティス兄様はともかく、管理者である私達は……。


 ちょっと残念、と思っていると……真っ白な世界に切れ目が出来た。



「やぁ、この姿では初めまして」



 フィーにとても似ていて、フィーよりももっと大人の姿。目が虹色の男の人が出てきた。


 たしかに、私もこの姿になってからは初めてだった。



「クロノ兄様?」


「うん、そうだよ。シア」



 本当に……フィーが嫌がるくらいそっくりだわ。黑も特殊な世界らしいから、フィーが生まれる時にクロノ兄様とかが祝福を与えたそう。だから、姿形だけは似せてあるんだって。



「フィーは??」


「多分もうすぐ来るんじゃないかな? 僕はじい様達からのおつかい」


「おつかい??」


「これを君達に」



 パッと手の上に取り出してくれたのは、白い布袋。


 私が受け取ると……少し懐かしい良い匂いがしてきたわ。だから、封を開ければ……色んな『パン』が入っていた!!



「チャロナのパン!!?」


「そうらしいよ?」


「これ、どうしたの??」


「じい様達が、彼女達の婚約パーティーで祝福を与えたらしくてね? そのお裾分けでもらってきたんだってさ??」


「あら、まだ時間過ぎていないの??」


「と言っても、ここに来るまでにまた時間は大きく流れたよ」


「……そう」



 だとしたら、さっき考えたようにチャロナとカイルキアは結婚したかもしれない。


 もう二度と会えないかな……と思っても、今ここに彼女達との繋がりがあるとわかったもの。嬉しくないわけがない。


 とりあえず、クロノ兄様にもパンをお裾分けしようとした時にフィーも来て……ちょっと嫌がっていたフィーだけど、三人でチャロナのパンを堪能したわ。

次回はまた明日〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

こちらの作品も出来たら読んでみてください。
下のタイトルから飛ぶことが出来ます。



名古屋錦町のあやかし料亭~元あの世の獄卒猫の○○ごはん~


転生したら聖獣と合体〜乙女ゲーム攻略のマッチングを手助け〜
ツギクルバナー
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ