192-4.素敵なドレス
お待たせ致しましたー
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お父さんが作ってくれたドレス。
色んなタイプのピンクを、これでもかと使った綺麗でもあり可愛らしいドレスだった。ピンクって子供っぽく見えるかと思われがちだがそんなことはない。
前世だと、結婚式のお色直しとか二次会で着るようなタイプだと多い。お父さんが作ってくれたドレスもそんな感じ。
カイルキア様との婚約パーティーにはぴったりなドレスだと思う。お父さんの手芸……ううん、裁縫スキルが凄過ぎて、最初は驚いたんだけど。
『似合いまふ! ご主人様ぁ!!』
私が着替え終わったら、ロティはきゃっきゃはしゃいでくれた。
「そ、そうかな?」
緑色の髪だけど、メイミーさん達に綺麗にまとめてもらったお陰でバッチリって感じ。一緒にお兄さんが持ってきたティアラとかアクセサリーもひと通りつけてから、私は微調整のためにお針子さん達のお邪魔にならないようにじっとしていた。
ほとんど出来ているとは言えど、これまでとは違って一生に一度の婚約パーティーのためのドレスだ。お父さんも、気合が入って仕立てたんだと思う。
(思うけど……パーティーの日付決めたの、ついこの間だよね??)
カイルキア様が魔法鳥で知らせてくださったとは言え……早いような。
お父さんとは、アインズさんの時を含めてまだ両手で数えられる程しか会えていないが……典型的な親馬鹿さんだ。お兄さんには、ちょっと喧嘩するのが多いみたいだけど……お兄さんは個性的な人だからなあ。今更ではあるけど。
「出来たかい!?」
微調整が終わって、メイミーさんがお兄さんを呼びに行ったようで……ついでとばかりに、悠花さんとカイルキア様にレクター先生も来てくださった。
「こちらです。殿下」
メイミーさんがお針子さん達に下がるようにお願いすると、私の姿が見えた向こう側の人達が……カイルキア様以外拍手してくださったわ。
「うんうん!! いいね、いいね!!」
「さっすが、陛下だわん!!」
「うん、すっごくいい!!」
それぞれ褒めてくださったが……カイルキア様は、お顔を真っ赤にして固まっていた。褒め言葉が欲しくなかったわけではないが、充分な反応なので私は『えへへ』と、つい笑ってしまう。
「アクセサリーとかも、よく似合っているとも!! これなら、婚約パーティーに相応しい!!」
「となると、カイルも着飾らなくちゃねぇん??」
「そっちは、今から針子達に頼むつもりなんだぞ!!」
「は? 俺は……」
カイルキア様がお兄さんによって引きずられ、お兄さんはお針子さん達を連れてどこかに行ってしまった。
ついで、とレクター先生も行っちゃったけど。
「公爵本家が用意するの止めたんじゃない?? なにせ、王女の婚約者だから」
「う、うん……」
義父になる叔父様……デュファン様達がきっと用意されていただろうに。いいのかな? とも思うが、お兄さんのあの勢いはもう止められない。
とりあえず、私はメイミーさんにドレスを脱ぐのを手伝ってもらってから、また仕事に戻ることにした。
次回はまた明日〜




