192-2.父として出来る事(アインズバック視点)
お待たせ致しましたー
*・*・*(アインズバック視点)
チャロナとカイルキアの婚約発表をするパーティーの……日取りが決まった。
(決まって……しまったんだ……!!)
想いを交わし、婚約もしたとの報せは既に受けていた。
だから、パーティーの日取りも近いうちにあるとわかっていても!!
王としては、王女の降嫁とは言え……近しい血族への嫁入りが決まったことは喜ばしい。
だが!!
(たとえ、婚姻は一年後だと言えど……勅命や師であるアーネスト殿のところへ行く以外は戻って来れない)
俺は国王であるので、臣下の屋敷であれカイルキアの屋敷には早々に行くことが出来ない。婚約パーティーのメインが愛娘であるから、今回は行けるが。前回は、姪のアイリーンだったからな??
とにかく、愛娘に会いに行ける条件がどんどん制限されていくことに変わりない。だから、今出来るのは……愛娘のドレスを新調することくらいだ。
「……どの色にすべきか」
「あの子はドレスを着慣れていませんし」
我が最愛の人、アクシアと一緒に選んではいるが……本当に、チャロナはこの女性と瓜二つだ。年齢の差があるから違う部分も多いが……俺が最後に見たアクシアの年齢と今のチャロナは近い。
だからこそ、余計にあの子は愛おしい。
しかしながら……離れていた期間の方が長い。どちらも。
片方は手元に戻り、片方は戻ったかと思えば巣立って行く。嬉しさと哀しさが入り乱れた感情になるが……チャロナはモノではない。生きた人間の子供だ。
神に愛された……選ばれた子でもある。その子の意思を尊重したい気持ちは、親として一応はあるが。
「式典の時は、紫にしたが……」
「思い切って、ピンクにしませんか?」
「ピンク?」
「赤児の頃は、おくるみでよく着せていたじゃないですか? なら……と思いまして」
「ふむ……ピンク」
あの子の髪は、王家特有の彩緑の色だから、ピンクは似合いにくい。が、似合うように着飾らせるのも悪くない。
成人の儀も済ませてはいるが……まだまだ子供と一緒。
であるのなら、その提案に乗るのも悪くはない!!
それから、採寸だけは女官らに任せて……俺は、執務の合間にチャロナのドレスを仕立てることにした。
「……父上。婚礼衣装まで、自分で縫うとか言いそうなんだぞ??」
半分くらい出来上がったところで、シュライゼンが出来上がりを見ながらそう言ってきた。
「…………流石に、針子達の仕事はこれ以上取らん」
「本当かい?」
「…………多分」
作ろうと思えば作れるが、王としてこれ以上のわがままは押し通せられない。
これで我慢しなければ……と思う頃にはあっという間に出来上がってしまい。
仕上げだけは、王自ら出向くことは出来ないのでシュラが針子を何人か連れて、公爵家で整えることになった。
(……どれほど、美しくなるのだろうか?)
今更だが、親馬鹿な部分はどうしようもない。
それと、パーティーの日にまで仕事を持ち込みたくはないので……ドレスが出来てからはがむしゃらに働くことにした。
次回はまた明日〜




