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186-4.神の仕業

お待たせ致しましたー






 *・*・*











 マシュラン達が後悔していた?


 私は……必要とされていた?


 あのパーティーで、たとえ家政婦のような仕事しか出来なかったのに。


 それと、カイザークさんがわざとマシュランにそう差し向けた??


 なんで?……と思った瞬間。


 私の目の前が、いきなり止まってしまった。



「……え?」



 マザーも、カイルキア様達も誰も彼もが。


 まるで、ストップしたかのように……全員が止まってしまったのだ。


 私だけが動けているらしいが、少ししてマザーの後ろから見覚えのある金髪の青年が出てきた。



「や?」



 少しぶりに会う、最高神のフィルドさんだった。ユリアさんは見当たらない。



「フィルドさん?」


「君へのお詫びも兼ねて、今回は俺が出てきた」


「お詫び?」


「今、このマザーが言っていた……カイザークが仕向けた出来事の真実は違う」


「え?」



 どう言うことだと口にしたら、フィルドさんは苦笑いされた。



「俺達がカイザークを操って、君に辛い思いをさせてまで……カイルキア達の方に向かわせるようにしたんだ。幸せのままで、枯渇の悪食を解決させても……心境が色々と違う。だから……あえて君に酷な道のりを歩ませた」


「……崖からは?」


「あれは俺達も予想外。カイルキアはすぐに見つけることは出来たけどね?」



 だから、そのタイミングで千里(ちさと)の記憶を戻したそうだ。……それがなければ……私は今の私にもなれなかった。



「……その」


「うん?」


「……今の私がなければ……出来なかったこともあります。それについては不満は……あまりありません。けど……」



 けど、ここの孤児院が私のせいで襲われたことには変わりない。それだけは……どうしても納得がいかなかった。



「……君の言いたいことはわかる」


「じゃあ」


「けど、それはまた定め。アクシアだけは、君へのたしかな関係で結ばれていたんだ。魂をこの世界に縛りつけていたから……君の選択で復活を成せた。ここの子供達はそれには該当しない」


「……はい」



 お母さんだけは特殊過ぎたから、私の選んだ選択で復活出来た。カイルキア様が言ったように……やっぱり、ディアナ達の復活は無理みたい。


 すると、フィルドさんは私に近づいて頭を撫でてくださった。



「大丈夫。輪廻転生……君とは少し違うけど、早い来世への転生の輪には導いたから。彼らの死は無駄にさせない」


「……転生?」


「君やマックスとは違う形で生まれ変わるんだ。だから、心配しなくていい」


「……はい」



 私とかとは違う形で生まれ変わるのならば。


 これ以上、多くは望まない。


 フィルドさんがもう一度頭を撫でてくださった後に、異空間の逢瀬は終わり。


 私はマザー達が動き出してから、今あった出来事を全部話した。


 それともうひとつ。


 今のマシュラン達に会えるかわからないが、セルディアスに戻ったら悠花(ゆうか)さんと一緒に……まずはリュシアのギルドに行くことにした。


 マザーと別れる前に、マシュランが報告も兼ねてリュシアのギルドに行くと言ったんだって。



(すべて……うまくいかなくても)



 私は彼らに、今は幸せだと言うことを伝えたかった。

次回はまた明日〜

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