185-3.まんじゅう作りへ①
お待たせ致しましたー
「まずは、ロティを紹介させてください」
『でふぅ! ご主人様の契約精霊、ロティでふぅうう!!』
ロティもちょっとマナーレッスンに参加しているので、それらしい挨拶は出来た。話し方は相変わらずだけど。
「おやおや、王女殿と王妃殿とよく似た精霊なんだね?」
「最高神によって、創られた特別な精霊なんです」
「そうなんだね? この精霊殿も何か?」
「私の持つ、異能……『幸福の錬金術』を具現化してくれる大事な相棒なんです」
「! なるほど」
とは言え、今日はホムラできちんとしたお饅頭の作り方をお教えするための任務。
まずは、収納棚から事前に作っておいたこし餡の鍋を取り出した。
「この中身を少し味見してください」
「「どれ……」」
陛下と殿下に味見してもらうと……すぐに表情が輝いた。
「美味い!」
「優しい甘さだねぇ? 王女殿、これを饅頭の中身に??」
「正確には、普通のお饅頭に使う胡麻だけでなくこちらを混ぜた『餡』を使うんです」
もちろん、日本では胡麻餡にも色々あったけど……作りやすさに味の良し悪しが分かれるのなら、小豆餡を混ぜたのが美味しいと思う。
記憶が戻る前の私の経験談もあるからだけど。
餡子の説明が終わってからは、全員で生地作り。陛下と殿下は手間取るんじゃ……と思ったが、意外にもそうじゃなかった。慣れた……ほどではないけど、ゆっくりとした手つきで出来ていたのだ。
「皇帝になる前……シュィリンの父上である私の兄が殺された後は。少し、細々とした生活をしていたんだ」
だから、完全に庶民に降っていたわけではないが、自炊はされていたようだ。悪行の限りをしていた一代前の皇帝の話は……私はあんまり覚えていない。まだ、私がマザーの孤児院に亡命した時期だったので、赤ん坊だったもの。
生地を寝かせている間に、次は肉まんの餡作りをすることになったんだけど。
「肉に……玉ねぎ??」
「王女殿下、これらで饅頭を??」
「はっはっは! 俺もまだ食べたことないけど、きっと美味しい予感がするんだぞ!!」
「具材によっては、増やしたりも出来ますが。今日は豚ひき肉と玉ねぎにします」
タケノコや椎茸が入るのもそれはそれで美味しいが……悠花さんがいるからキノコは却下だからね……。
豚ひき肉はオーク肉じゃなくて、猪の近い魔猪肉らしく脂身がすごかった。これを味付けしたら、肉汁たっぷりの肉まんが出来ること間違いなし!!
具材が出来てからは、生地を分割して伸ばす作業からだったんだけど……。
「触り心地が良い」
「今までの生地とは違うねぇ?」
と言うわけで、素の生地のおまんじゅうもあとで蒸すことを決めて、陛下と殿下と私はお肉。お兄さん達は胡麻餡を作ってもらう。余ったこし餡はそれだけであんまんにすることになりました!!
次回はまた明日〜




