【幕間】『デニッシュモンブラン』

　★・☆・★

　軽やかな音楽が暗闇に響き渡り、ある一点に向かってスポットライトが当たる。

　そこには、作者こと櫛田が頭の部分にシルクハットを乗せている。

『……デニッシュモンブラン。デニッシュ生地を乾燥させて、モンブランのようにクリームを載せた逸品ぅうう！！　櫛田の勤務先でも世間では有名なマリトッツォと並んで売れに売れているぅうううう！！　絶品

　ステッキが現れ、ポンっと音が立つと櫛田の上に美味しそうなデニッシュモンブラン達がたくさんが浮いている。

　そして、後ろにはチャロナとマックスの登場。

「けしからぁああああああん！！」

　と、戦斧(バトルアックス)で櫛田をホームラン。

「ゆ、悠花(ゆうか)さん！？」

「実にけしからん事態よん！？　あたしの大好物をこのタイミングでだなんて！！？」

「だ……ダメだった！？」

「逆よ、逆！！　ユニーク称号がなくなったからって……おかわり欲しいくらいだったわ！！」

『(戻ってきた)……本編に書いてないけど……おかわりはひとりにつき一個まで。カイルキアでも同じ』

「なんでよぉおおおお！？」

　スライム状の櫛田を引っ張りに引っ張って、問い詰めていく。チャロナが助けても終わりが見えないので、作り方に移動。

【ずっしり濃厚デニッシュモンブラン】

『マロングラッセ』

《材料》

　生栗……２キロ

　重曹……(一回15グラム×アク抜きの回数分)

　ザラメ……１キロ

　砂糖……５００g

　蜂蜜……２００g(なければ砂糖を増やす)

　ブランデー……1.5リットル前後

　赤ワイン……300-500cc

　ウィスキー……少々(無くても可

　バニラビーンズ……一本(無くても可

《道具》

　炊飯器

　出汁や茶葉を入れるパック……栗の数だけ

『まずはマロングラッセからぁあああああ』

《作り方》

　①生栗を剥く。渋皮は残して、炊飯器に栗と被るほどの水、重曹を入れて普通に炊飯

　②煮汁の色が薄くなるまで、①の後半の工程を繰り返していく

　③アク抜き出来たら、栗を一粒ずつ出汁パックに入れていく。口を上の方にして炊飯器の中にならべていく

「この時崩れた栗は、出汁パックに入れずに炊飯器の底に敷き詰めてください」

　④ブランデーと赤ワインを栗が被る程度に注ぎ、ザラメ500g、砂糖500gを入れて普通に炊飯

　⑤炊けたら、蒸発した分のブランデーとザラメ200gを足して、バニラビーンズを入れて炊飯

　⑥⑤を別の容器に入れて一晩寝かせておく

『炊飯器使わないなら、そのままでも！！』

　⑦⑥を再び炊飯器に戻し、残りのザラメ、砂糖(蜂蜜)と減った分だけのブランデーを足して、炊飯

　⑧炊き上がったら、保温状態のまま蓋を開ける。ゴミが入らないようにキッチンペーパーを被せ、そのまま一晩以上放置

　⑨煮汁がドロドロになり、出汁パックに砂糖の結晶がついていたら出来上がり

　⑩これでも十分食べられるが、煮汁を栗にディップするように塗り、１日以上置くとさらにシャルシャリした食感に

「甘さを和らげたいなら、さらにウィスキーをかけても！」

『大人〜なお味ぃ〜！！』

「煮汁はお菓子にも使えるので、瓶詰めしておくと良いです！！」

「ところで、なんで今回締めちゃうのよん？？」

「『長いから！！』」

　戦斧でげんこつ。

「やりなさい！！」

「『あい……』」

【ずっしりとデニッシュモンブラン】

《材料》

　デニッシュ生地……これまでのクロワッサン生地

　アーモンドクリーム……これまでのと同じ

「マロンペースト」

　上のマロングラッセ……140g

　生クリーム……30cc

　砂糖……20g

「ホイップクリーム」

　生クリーム……80cc

　砂糖……8g

　バニラエッセンス……少々

「他」

　ブランデー……5cc

　グラッセ(飾り用)……七個

　グラッセ……２個

　ドリュール用の卵……適量

　ガムシロップ……適量

　粉糖……適量

『省略するとこは省略ですん！！』

《生地》

　①生地を厚さ３ミリ、８センチ角に切る

　②四つ角を中央に折り畳んで、ぎゅっと抑え込む。薄くバターを塗ったミニタルト型に入れて、室温が３０℃なら５０分発酵させる

　③卵を塗り、アーモンドクリームをほんの少し載せる

　④１９０℃予熱したオーブンで１８分ほど焼いたら、すぐにガムシロップを塗る

《マロンペースト》

　①グラッセをひとつひとつ裏ごしする。それに砂糖と生クリームを厚手の鍋に入れてよく練り合わせる。出来たら火から下ろして、器に入れて冷ます

「栗によって固さも違うので、そこは生クリームで微調整してください！」

　②ホイップクリームは砂糖を入れて７分立て。1／３を①に入れて、ブランデーも加えたらマロンクリームに

　③残った2／３のクリームに粗く刻んだ二個分のグラッセを加えて混ぜる。丸口金をセットした絞り袋で、冷めたデニッシュの上に少し絞る

　④モンブラン用口金で②のクリームをぐるぐると絞る。てっぺんに半分にカットしたグラッセを載せる。デニッシュの部分に粉糖をかける

『「か……完成ぃ！！」』

「短くまとめれたじゃなぁい？？」

「作るの大変だから！！」

『(モグモグモグ)』

「……作者さん？」

　櫛田が食べながら逃げていく。