184-2.経験者は語る
お待たせ致しましたー
*・*・*
それから、夕方にはちゃんと悠花さん達が帰ってきた。
「ただいま〜!! チー…………ちゃん??」
「チャロナくん??」
二人が帰ってきた時に、ゼーレンさんとお出迎えしたんだけど……少し前に起きたカイルキア様とのキスの嵐でまだヘロヘロ状態だったんです!!
「お、おかえり……なさい」
「ちょっと、どーしたって言うの!? カイル?? カイルなのね!!」
「い、いや……その」
「あいつに何されたの!? 素直におっしゃい!!」
悠花さんがガクガクと肩を掴んで揺らすもんだから、そっちで気持ち悪くなりそうだったけど!?
「そ……その」
「うんうん!?」
「……ちょっとお話したことで、どうしてかキスの嵐に」
「…………ちょっと、どう言う話でそこまでなるの!?」
「今ここでは言いにくいからぁああああ!?」
男女の事情について、玄関先で話していい話題じゃない!?
エイマーさんは着替えたいと言うことで寮に帰って行き、私と悠花さんは私の部屋に。はたから見ると、浮気しているように見られなくもないが……私と悠花さんが前世からのマブダチだと言うのはエイマーさんも知っているし、事情を知っている人達も同じ。だから、あんまり気にされない。
「で? あいつに何話したら、そーなったわけ??」
部屋に入った後に、悠花さんはマックスさんの顔でめちゃくちゃ怒っていた。これは言いにくいなぁと思っても、言うしかないかあ?
「あ、あのね?」
「……うん」
「ゆ……悠花さん達のせっかくの初デートなのに、もっとゆっくりして来なくていいかなあって……カイル様には話したんだけど」
「……それで??」
まだこの段階では結構怒っていた。
「うん。……悠花さんは今男の人でしょ?」
「そうだけど?」
「だから……その、エイマーさんって恋人がいるから……そう言う男女のお付き合いとか、今は出来るから……」
「なに? この世界で言うラブホみたいなとことか行かないのかって??」
「ぶ、ぶっちゃけた話はそうだけど……」
すると、悠花さんは大きくため息を吐いた。
「…………考えてないわけじゃないけど。女って事後のあとの体調が個人差では数日響くもんなのよ? 厨房で仕事してるエイマーにいきなりは出来ないわよ??」
「え、そうなの??」
痛いとか、動けないとは聞くけど……悠花さんは『悠花さん』だった時の記憶があるから……未経験だった私とは違う。この人はこの世界での事情も違うけど、前世は前世でちゃんとした女性だったから。
私が質問を返すと、ぴんって鼻を軽く弾かれた。
「それをカイルにも昔、フィーと一緒に散々知識としては叩き込んだもの。だから、チーちゃんには必要以上に気遣うはずよ?」
「そ……そっか?」
「だからって、キスの自制が出来ないってやばいわね? チーちゃん? 自覚なくてもあいつを煽る発言は控えなさい? 腰砕けだけで済まないわよん?」
「……はーい」
それはそうなので、この話は終わり。
今日の夕飯後に、悠花さん達に取って置いたアップルデニッシュを出すと二人とも凄く喜んでくれた。
次回は日曜日〜




