180-2.こちらも堪能(マックス《悠花》視点)
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*・*・*(マックス《悠花》視点)
今頃、チーちゃんにカイルはどうしているのかしらん??
あたしに、弁当の一部を渡す余裕があるくらい、チーちゃんは『きゃっきゃ、うふふ』でしょうねん?
カイルも昨日、執務室では微笑みを見せたくらいよん? レクターは苦笑いしてたけど、あたしはちょっとゾッとしたわぁああ!!
あたしと初対面だった時から、カイルの表情筋は死んでたのよぉん!!
(まあ、それはともかく……!)
エイマー達も味見したって言う、チーちゃんの手作りのお弁当よぉん!! 食堂だと目立つからあたしもちょっとピクニック気分になりたくて、自力でカイルん家の領土の一部まで走り込みしてから広げた。
ある程度、空腹にすれば……その刺激はスパイスになるものよん!! あたしには、『燃費最悪魔王』って残念称号があるんだけど……ここ最近はギルドの依頼がなきゃ落ち着いているのよねぇ??
定期的に、チーちゃん達の料理をたくさん食べているからかしら??
「ふふふ〜〜ん!!」
レイは自主的に料理の腕を上げたいからって厨房に残ったから、今から出すお弁当はあたしだけのものよん!!
引っ下げてきた魔法鞄を下ろして、中から弁当箱を取り出す。チーちゃんの銀製器具から貸してくれた、漆塗りの重箱だったわ。アイテム名に銀があるのに、最近出てくる道具は銀とか関係ないのよね??
とにかく、敷布の上に置き……ゆっくりと開けた。エフェクトとかがかかったように神々しく見えたわ!!
「きゃああ!!」
今の男の身体だから野太い声になっちゃったけど、それが気にならないくらいに……チーちゃんのお弁当が素敵すぎたのよん!!
カレーパン
チキン南蛮(別でタルタルソース付き)
プチトマト
ほうれん草の多分バターソテー?
シャケのおにぎり
んで、別のポットには豚汁入りよん!!
「チーちゃん、ジャスティス!!」
あたしのマブダチは最高だわ〜ん!!
これをたらふく食べているのがカイルだって言うのが、ちょっと悔しいけーど!
「いっただきまーす!!」
まずは、プチトマト。
いつもなら野菜は後回しだけど、悠花の記憶をほとんど蘇ってからは野菜から食べるようになったのよねん?
今は男の身体だけど、太りたくないのよん!
そこはまだある乙女心ってとこねん?
あんまくて、ちょっと酸味のあるトマトは入れて正解ね? 次にほうれん草のソテー……と思ったら、バター醤油炒めだったわん!!
「エスティんとこの醤油があったおかげねん??」
これだけで、米が進むわ!! おにぎりがあったからひと口だけ……と我慢出来ずに食べると、それは大正解だったわ!!!! その後に豚汁飲んだら……ちょっとあったかい温度だったけど飲みやすい!! こっちもバターが入ってて洋風になってたけど、美味し!!
「……カレーパンから行くか、チキン南蛮からいくか!!」
どっちも悩んだけど、最後にさっぱりしたいと言う意味不な理由で先にカレーパンを食べたら……シーフードカレーパンだったわ!!
久しぶりに……冷めてたけど、とっても美味しいわ〜ん!!
「……チーちゃん達も今頃食べているのかしら??」
カイルんことだから、一緒に完食はしているでしょうけど……ちゃんとエスコートしているか心配だわ……。
あたしもエイマーひと筋だったから余所見してなかったけど……デートしたことないのよね?
「そうよ!? エイマーとデート!!?」
なんで、婚約したのにそこを忘れていたのよ、あたしぃいいいい!!?
頭を抱えそうになったが、とりあえずチーちゃんのお弁当をしっかり食べて空腹を満たしてから屋敷に戻ることにしたわ。
次回は土曜日〜




