表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

728/825

175-2.親として(アクシア視点)

お待たせ致しましたー






 *・*・*(アクシア視点)








 私が復活を成して、二日目。


 いきなり執務に加わることは出来ないけれど……夫でありセルディアスの国王であるアインズバック様から知らせがあったのだ。


 我が娘であり、甥であるカイルキアの屋敷に戻ったチャロナについて。早急に来て欲しいことがあったので、息子のシュライゼンと共に向かった。


 何事かと中に入らせてもらうと……爺やであり、この国の宰相でもあるカイザーク殿に宥められながら、アインズ様は泣きまくっていた。



「うううううう〜〜〜〜ううぅうう〜〜!? この日が……とうとうこの日が来てしまったかぁああああああ!!?」



 などと嘆かれていらっしゃっても、よくわからなかった。


 けれど、私が死んでいた時とは違い、十六年もずっと一緒に過ごしてきたシュライゼンはわかったのか、ニヤついた笑顔でいたわ。



「なんだい、父上? チャロナとカイルキアがとうとうなのかい!!?」


「く……っ! 悔しいが、その通りだ!!」


「まあ」



 まさか、昨日の今日で想いを伝え合うだなんて……喜ばしいことだわ。あの狭間に居た時は覗き見ていたけれど……短期間でもお互いをきちんと想い合っていたもの。


 カイルキアはチャロナが生まれてから、すぐに婚約者としての名乗り上げをしたが……此度は違う。ちゃんと今のチャロナを見て、接した上で育んだ愛だわ。



「しかも……以前の仮ではなく正式(・・)に婚約の誓約を交わしたいと俺に言ってきた!!」


「あらあら!!」



 そこまでとは、私も流石に予想外だったわ!!


 カイルキアとチャロナが婚約……素敵だわ。今すぐに直接おめでとうと言いに行きたいけれど……私は転移の魔法が使えない。魔力量の問題はないが、扱いが下手なのだ。王家の血筋を引く侯爵家の人間ではあっても。



「カイルキアめ……!! とうとう……とうとう俺の娘を!?」


「喜んでいるのか、恨み言言っているのかわからないんだぞ? 父上」


「……喜ばしいことはわかっている。だが……だが!!」


「陛下は、やはり姫様にしばらく城で過ごされて欲しかったようなのです」


「あの子が選んだんだから、無理言うななんだぞ?」


「そうね?」


「うううう〜〜〜〜!!」



 たしかに、パン作りはフレイズ殿が仕切る厨房で出来なくもない。


 アーネスト殿もいらっしゃるから、弟子として色々出来る。けれど、これまでの生活を選んだあの子なのだから、やりたいようにやらせてあげたいもの。母親としてはほとんど育てていない、私がそう思うくらいに。


 あの子は、カイルキアの側にいる方がきっと生き生きしているから。



「とりあえず、ホムラへの派遣の前に一度来て貰えばいいんだぞ。お祝いも魔法鳥じゃなくて、その方がいいと思う」


「そうですな?」


「そうね?」



 私もお母さんとしては時々でも会いたいもの。


 その提案にとりあえず納得なされたのか、アインズ様はよろよろと立ち上がられた。



「それともうひとつ……」


「なんだい?」


「「はい?」」



 完全に立ち上がってから、アインズ様はひとつ息を吐いた。



「あの子の胸部が……アクシアくらいになったそうだ。ロティの証言によると『元に戻った』らしい」


「えー?」


「あら」


「王家の魔力が覚醒してから、浸透するのに時間がかかったようだ」



 たしかに、私の子にしては控えめ過ぎではあったけれど……なにかしら理由があったのね?


 すぐにお針子達に衣装の手直しをさせねば。そのサイズについては、私がアインズ様から書簡を受け取りカイザーク殿と一緒に、お針子達の作業場に行ったわ。

次回は月曜日〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

こちらの作品も出来たら読んでみてください。
下のタイトルから飛ぶことが出来ます。



名古屋錦町のあやかし料亭~元あの世の獄卒猫の○○ごはん~


転生したら聖獣と合体〜乙女ゲーム攻略のマッチングを手助け〜
ツギクルバナー
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ