174-4.元の姿に
お待たせ致しましたー
*・*・*
まるで少女のように、顔をほころばせながら……ウルクル様はラスティさんとの馴れ初めを話してくださいました。
「そこから……今まで、ずっと一緒なんですか?」
『応。妾の姿を変えたのは、豊穣の力もじゃがラスティへ力の大半を貸し与えているせいじゃ。しかし……豊穣の心配もない今であれば……それも安心じゃ』
そう言って、ウルクル様はその場に立つと自分の頭の上で軽く手を振った。
ウルクル様が白い光に包まれて行き、体がニョキニョキって上から下まで伸びてって……光が消えた時には私もだけど、ロティも叫んでしまった?!
「えぇえええええ!?」
『ウリュしゃまあああああ!?』
お話は聞いてたけど、ほんと……何処ぞの美女!? って言いたいくらいに綺麗な女性が草むらの上に立っていた。服装はウルクル様の白い装束を……もっと際立たせたものだけど!!
胸が!?
腰が!?
今の私の比にならないくらいに、ぼんきゅっぼんなんですけどぉおお!?
『……うむ。問題ないな? ラスティからの力の流出も感じられん』
声まで艶めいたものに変わってしまって……いや、これが本来のお姿なら元に戻っている??
ユリアさんは仮の姿が可愛らしい女性だったけど、本来はおばあちゃんの姿だった。シアちゃんも急速成長していたし、神様の姿って特に定まっていないのかな??
『うーりゅーしゃーまー!!』
『おお、ロティ』
ロティは、お姉さん姿になったウルクル様の素敵な腰辺りにダイブしていく。さっきは大きさが逆だったので、今度はロティがウルクル様の子供に見えるくらい身長差とか色々あった。
ウルクル様はロティを受け止めると、よしよしと頭を撫でてくださったわ。
『にゅ〜、良い匂いでふ!』
『ほっほ。仮にも豊穣の女神じゃ。それらしい香りもせねばな?』
『にゅ』
『さて、休息もこれくらいにしようぞ? ラスティらも呼んで収穫をしようではないか?』
「はい」
本来の目的は、ウルクル様達の身の上話じゃなくてパン作りだからね?
なので、ラスティさんやエピアちゃん達のとこに行ったんだけど……。
「ウル〜〜!? 戻れたの〜〜!!」
『うむ、ラスティ!!』
美男美女カップルの抱擁がしばらく落ち着きませんでした。
「ウルクル様のお姿……綺麗だね??」
落ち着くまで、エピアちゃんと傍観してるしか私達は出来ないでいた。
「うん。私が……選んだ選択のお陰で、世界への影響を食い止められたから……元に戻れたんだって」
「……お城で色々あったんだっけ?」
「そう。……だから、お母さんも……王妃様も蘇ったの」
「え!? そうなの!?」
「言ってなかったっけ??」
「聞いてないよ!! けど……よかったね?」
「うん!」
とりあえず、収穫は私やロティ。エピアちゃんの三人ですることになった。持ち運びは私の収納棚にぽぽいと入れれば大丈夫と、ロティが言ったので実践。
前のジャガイモ収穫の時もこうすればよかったかなあ、とちょっと反省。
「チャロナちゃん、これでどんなパンを作るの?」
「えっと……ベーグルってリング状のパンだよ」
「ベーグル?」
「もちもちした生地に、具材を混ぜ込んだりとか色々あるけど……美味しいよ?」
「へー!」
作り方はちょっと特殊だけど、絶対に美味しいパンだから頑張って作らなきゃ!!
次回は火曜日〜




