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171-3.恋人の身体変化(カイルキア視点)

お待たせ致しましたー






 *・*・*(カイルキア視点)








 夢にまでみた愛しい相手との口付け。


 あの事故のような時とは違う、ちゃんとしたものだ。思った以上の柔らかさに、己の欲望をチャロナ()にぶつけたい気持ちがまさってきたが。



(それはダメだ!? まだ……昼間だ)



 なので、ある程度満足してから……名残惜しいが小さな音を立てながら唇を離した。蕩けている、恍惚の表情でいるに……また唇を塞ぎたい気持ちになるが、彼女の表情が急に変わったために、それは中断された。



「ふぇ!? な、なに!!?」



 何か身体に異変が起きたらしく。何故か……胸の辺りをに腕を回していた。俺もその様子を見ていると……女性にしては、ささやかだったチャロナの胸が……その、大きくなっていたのだ!?



「チャロナ……??」


「え、え、え!? な、なんで!?」



 チャロナは顔をリンゴのように赤くさせながら、窮屈そうにしている胸を俺に見えないように、抱きしめていた。それがその……女性経験がない俺にとっては非常に目の毒だ!?


 ましてや、想う相手なら尚更!!?



「……魔法鳥でレクターとマックスを呼ぶ」


「ふぇ!?」


「どう言う理由でそうなったかを調べるためだ!? 落ち着け!!」


「は、はい!!」



 俺の方が落ち着きたい理由もあったが。



(……なんだ、あの大きさは!?)



 復活された伯母上もだが、下手するとエイマー並みではないか??


 女にこれまで群がれるだけで興味を持たなかった俺が。


 チャロナ(想い人)のいきなりな成長に、俺はかつてないくらいに、鼓動が高鳴ってしまっていた。


 とりあえず、チャロナには窮屈だろうがそのままで待つように言い置いて、俺はマックスには魔法鳥を飛ばして俺自身はレクターの診察室に向かう。


 扉を開けると、何故かレクターにはガッカリされたが。



「……カイル」


「……なんだ?」



 何故か嫌な予感しかしないが。



「…………事に及ぶのが早過ぎない?」


「…………その言葉に関係する事はしていない!!」


「なんで!?」


「阿呆か!? まだ告白しただけだ!!」


「? じゃ、なんで僕のとこに来たの??」


「……チャロナに異変が起きた」


「え、なんの!?」


「……とにかく、来てくれ」



 チャロナの部屋に戻れば、先に来ていたマックスが変な笑顔でいたが。



「なぁに〜? チーちゃん、日本の時よりもでっかくなっているじゃなぁい??」


「ゆ、悠花(ゆうか)さん!? そんなしみじみと言わないで!!?」


「だって、マブダチの変化よん? エイマーくらいあるんじゃなぁい??」


「えぇ!?」



 マックスが元女でなければ、怒りが満ちてしまっただろうが。この二人は前世でも仲の良い友人関係であったのだから、怒りは特に湧いて来なかった。



「はいはーい? 僕が来たから、チャロナちゃんには悪いけど。ちょっとだけ診察させて?」


「触んじゃないわよ?」


「そこまでしないよ!?」



 触診をしない事に、俺もホッと出来た。恋人の俺ですらまだ触れてすらいないのに、妹の婚約者であり魔法医のレクターに先に触れられたら……多少の嫉妬の情くらい湧く。



(……恋人にはなれたとは思うが、『仮の婚約者』の件はいつ言うべきか)



 伯父上は伯母上が復活されたことで、おそらく忘れているだろう。であれば、俺が言うしかない。



「う〜〜ん? 魔法的要素はないね? けど、チャロナちゃんの身体に満ちた『王家の魔力』の循環が凄い。以前にケッセンは無くしたけど……それ以上に溢れている感じだ」


「なぁに? チーちゃんの魔力がさらにグレードアップしたわけ? それが身体にも出たの??」


「その可能性が一番高いね? とりあえず、姉さんを呼んで服とか着替えないと。僕が呼んでくるね?」


「あたしもだけど、カイルも居ていいのん?」


「カイルは『恋人』として居て上げた方がいいでしょ? 君は前も今もチャロナちゃんにとっての大事な友達だし」


「……わかった」



 ひとまず、メイミー達が来るまではチャロナの胸から視線を逸らすのが大変だったが。

次回はまた明日〜

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