171-1.マックスの葛藤(マックス《悠花》視点)
お待たせ致しましたー
*・*・*(マックス《悠花》視点)
チーちゃんの記憶が戻った。
カイルんことはわかんないけど、あたしとあの子が前世でもマブダチであり……あたしの元彼に刺し殺された記憶が戻ったのよね?
「戻った……か」
良いことか悪いことかと言えば、あんまり気持ちのいいもんじゃないわ。
あたしはチーちゃんの部屋を出てから、なんと無しに裏庭に出ることにした。ちょっと体動かしたい気分になったから……。
「レイ、出てきて」
『あいあいさー!』
幸せオーラ満載のニヤニヤ顔がウザイけど、こればっかりはしょうがないわよね? ロティちゃんと恋人になれてまだ一日も経ってないもの?
「……久しぶりに付き合え」
『へ? え……マスター、ここカイルの旦那んとこでやんすよ?』
「思いっきり体動かしてーんだよ」
『……あい』
そこから二時間くらい。
普通の鍛錬以上に、レイと取っ組み合いや魔法攻撃を受けたりいなしていた後……。ゼーレンに叱られちゃったのよね?
景観を完璧ではないけど、それなりに壊しちゃったから。このジーさん執事にも昔から頭が上がらないわ。
「……まったく、なにをやっているんだい?」
喉が渇いたもんで、食堂に行ったらエイマーにも呆れられたわ。
「……色々むしゃくしゃしたんだよ」
「しかし、チャロナくんの記憶が戻ったんだろう? 良いことではないのか?」
「そっちじゃなくて、俺達が前世で死んだ時の記憶だ……」
「……それは穏やかじゃないね?」
「まあ、けど。今はカイルがいるからな?」
そっちの方の記憶も戻ったとしたら……、あのムッツリが、チーちゃんに手出ししないわけがないって言い切れないのよね??
「考えていても仕方がないだろう?」
と言って、エイマーが出してくれたのは卵サラダのオープンサンドイッチだわ!?
「いいのか?」
「是非、試食して欲しい」
「俺のコメントは辛口だぜ?」
「知っているさ? その上で教えて欲しい」
なら、とあたしはサンドイッチにかぶりつく。
パンの部分は随分と食べれる食感と味わいになっていて、卵の部分と合わさるとベリーグッドよん!?
「美味いぜ? パンもだいぶマシだ」
「! よかった……まだまだだと思うけれどね?」
「いい進歩だと思うぞ?」
まだごく一部だけど、チーちゃんのパンの技術はピカイチだもの?
前世もマブダチだった悠花が保証するわ〜!!
次回はまた明日‼️
お盆休み企画でーす‼️




