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168-3.家族との朝③

お待たせ致しましたー

 もちろん、四季のあるこの世界では他の季節も明確に温度を測らなくてはいけない。


 私の場合は、ロティが最初からいてくれたお陰で大丈夫だったけれど。これからは、手ごね中心でフレイズ様や他の料理人さん達に指導していくから。


 発酵器(ニーダーポット)もだけど、そこも重視しなくてはいけない。


 それをお伝えすれば、フレイズ様もだけどお師匠様も『むむむ』ってうなり出した。



「季節、気候、水の冷たさ……?」


「ううむ……パン作りはさらに奥深い。……チャロナちゃん、一度儂が試作した発酵器を見てもらえんかの?」


「はい、わかりました」



 その約束をしてから、お二人は帰って行き、私達は朝ご飯を再開した。私はおかずとかを少し食べ終えてからは、フレイズ様がメインで手がけたパンを全種類少しずつ食べては分析していく。



「ふふ。チャロナ、すっかり料理人の顔ね?」



 一生懸命分析していたら、お母さんが紅茶を飲みながらコロコロと笑い出した。



「うむ! チャロナのパンもだけど、料理は絶品揃いだからね!! 俺もパン作りはこれからも習うから、お兄ちゃんに教えて欲しいんだぞ!!」


「……お兄さんも?」


「うむ! ホムラへ行く約束をしただろう? 手伝える人間は多い方がいい。俺なら、お兄ちゃんだし遠慮しなくていいんだぞ?」


「……うん!」



 そうだった。この国だけじゃないんだ。


 ホムラにもだけど、世界中に正しいパン作りの知識などを広めていくのが私の役目。


 今はまだまだごく一部だから……美味しいパンを知らない人達の方が多いもの。


 頑張らなくちゃ!!


 それと、



「お父さん」


「なんだ?」



 コーヒーを飲んでいたお父さんに声を掛けると、キョトンとした表情になった。



「リュシアの街の孤児院で……差し入れ以外にお菓子教室をやっていたのを。再開出来ればって思うの」


「!? そうだな。王女に戻ったとは言え、あの孤児院は王家が支援しているところだ。子供達にも、きちんと言いなさい」


「うん!……王女って知ったら……今までとは違うと思うけど」


「なはははは!! あの子達は賢い! 実は、母上の昔の絵姿を見た事がある子達が多くて、気づいていたんだ! お兄ちゃんから内緒と言っておいたから黙ってもらってるだけなんだぞ。今ならきちんと話せば、理解してもらえるはずだ!」


「! そうなんだ……」



 もしそうなら、今まで内緒にしててごめんなさい、でいいのかな?


 私も知ったのは昨日の今日だけど。


 戻ってきたメイドさんに淹れてもらった紅茶を飲みながら、頭の中でいつに再開出来るのか考えていたけど。


 それと、カイルキア様や皆とお屋敷に戻るとは言え。


 カイルキア様との両想い状態を、いつ切り出せばいいのか……恥ずかしくて頭が沸騰しそうになったわ!!



『ご主人様〜〜〜〜!!』



 とりあえず、朝食が終わった後に。


 お父さんからカイルキア様達に話をすると、執務室にロティもだけど関係者の大半を呼んだのだった。

次回はまた明日〜

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