166-1.精霊同士の恋
お待たせ致しましたー
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本当の誕生日パーティーも終わりを迎える前に。
皆さんに、今のロティを見てもらうことにしました!
「ロティ! 出ておいで!!」
私が影に向かって呼びかけると、ロティがすぽんと出てきた!!
ユリアさん達といた場所で、成長した大人の姿で!!
『でっふでふぅううううううう!!』
ロティが影から体を全部出すと、顔はやっぱり私とお母さんに似ているけど、髪は綺麗に波打っているから私達とは全然違う。
それに、輝いているように見える笑顔も、彼女しか出来ないと思う。
「「「「「「ロティ!?」」」」」」
『ロティ!?』
皆さんもだけど、悠花さんの影から出ていたレイ君も驚いて声を上げていた。
「私の異能……『幸福の錬金術』を経て、成長した契約精霊となりました!!」
『あい、ロティでふ!』
大人の姿になっても、口調とかは相変わらずなのでちょっとだけおかしいが。
目覚めて、出会って。お母さんとの繋がりがあったからこそ、私に用意されていたAI精霊。それが今は、レイ君と同じ契約精霊になったと言うことを、記憶が戻った時に一緒に情報が流れてきた。
だからロティには、きちんと生命があるわけで。
『ロティ!!』
ロティが私の横に立つと、レイ君がダッシュでこっちに来た。服装はお屋敷で着るようになったコックスーツじゃなくて、正装した男性用の服。
カッコよく身につけていたレイ君は、ロティの前で息を整えてからゆっくりと顔を上げた。
『おにーしゃん!!』
ロティはレイ君が目の前に来ると、ひまわりのように眩しい笑顔になった。その笑顔で彼女の気持ちを知る私は、レイ君のことが大好きなんだなってよくわかった。
『ほんとに……ロティでやんす、か?』
『でふ! ロティは大っきくなったんでふよ!! ご主人様達のお陰でふ!!』
『…………ぶ、じで』
『ふぇ!?』
ロティがえっへんと、私よりもエイマーさん並みに大きくなった胸を逸らせていたら……レイ君が涙を流し出して、そのままロティに抱きついた!?
思いっきりギューって!!
ロティは驚いてたけど、すぐに笑顔になってレイ君の頭を撫でていた。今のレイ君とロティってだいたい同じ大きさだから。
『無事でよかったでやんす……!! 消滅にならなくて良かったでやんす!! 俺っち……俺っち!!───────……ロティが大好きでやんすからぁあああ!!!!』
『ロティもでふよ?』
『……へ?』
レイ君に泣きながらの告白に、ロティはすんなりと自分の想いを伝えた。
レイ君があっけらかんとなりながらロティに目を合わせると……ロティはにっこにこな笑顔だったわ。
『ロティもおにーしゃん……レイバルスが大好きでふよ!!』
『……ほんとに?』
『でっふ!』
『!?』
そしてロティは、たくさんの人に見守られているにも関わらず、公開キスをレイ君にしてあげたのでした。
当然、悠花さんもだけど私達も二人に大きな拍手を贈りましたよ?
次回はまた明日〜




