表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

666/825

161-4.狭間へ

お待たせ致しましたー






 *・*・*









 頭が……重い。


 体も重かった。


 何か、目の前が真っ暗になっただけなのは分かったけど。


 国王様だったアインズさんと、カイザークさんが私を彼の娘であり王女だと大声で言った途端。


 私は驚きと同時に、自分の意識が遠のいていくのがわかった。その後に、何か起こったのかはわからない。


 だけど、何故か。


 気がついたら、暗い空間にカイルキア様と一緒に倒れていたのだ。



「…………ど……こ……?」



 夢では、ないと思う。


 カイルキア様と一緒だから。


 現実だとしたら、いったいここはどこなのだろうか。


 まさか、いきなり投獄?



「な訳ないない」



 だったら、カイルキア様まで一緒なはずがないから。


 仮に何か玉座の間でしでかしていたからって、男女が同じ場所に閉じ込められるだなんておかしい。


 と言うか、牢屋にしては鉄格子もなんにもない。どこかの部屋にしては、真っ暗なのにカイルキア様の姿が見えるのは変だ。


 とりあえず、カイルキア様を起こそう!



「カイル様! カイル様!!」



 ゆさゆさと肩を揺さぶったら、カイルキア様はすぐに目を覚ましてくれた。起き抜けの声には、腰砕けになりそうだったけど!?



「…………チャロナ?」


「あ、え……と」



 まだ、この人は(チャロナ)と呼んでくれるんだ。


 アインズさん……国王様やカイザークさんの言葉はちゃんと覚えている。


 だから、ここはきちんと確認をしよう。


 どうして、ここにいるかは相変わらずわからないけど。



「…………覚えて、いるのか?」


「え?」


「……陛下のことも。お前自身の事も」


「…………はい。玉座の間でお聴きした事は」


「…………すまない。今まで騙すような事を」


「い、いえ!? けど……どうして、私が王女だなんてわかったんですか?」


「…………その髪色と顔だ」


「ふぇ?」


「お前の実の母親と瓜二つなのと……兄であるシュライゼンと同じく、王家の血を受け継ぐ事でしか現れない……彩緑(クリスタルグリーン)の髪色だ。それは他国でも滅多にないとされている」


「……あ」



 思い出した。一度だけ、リュシアの街でお姉さん達に声を掛けられた時に聞かされた話。


 ……あれは、その事だったんだ。


 なんで、今思い出したのかはわからないが。



「……陛下達には報せたし、お前の事もきちんと会わせようとはした」


「はい」


「だが、出来なかった。……人間ではない方々の力によって」


「…………どう言うことですか?」


「カイルキアの言う言葉通りよ、チャロナ?」



 女の子の声?


 けど、私を知っているらしい。


 誰、と振り返れば……小さな女の子が立っていた。


 白銀に輝く髪に、同じような目の色。


 だけど、どこか見覚えのある顔立ちだった。



「…………見た事ある。けど、誰……?」


「ま。この姿になってから、会いに行ってないもんねー?」


「え?」


「私は、ディーシア。シアって呼んでた、じぃじ達の赤ん坊になってたの覚えてない?」


「……シア、ちゃん?」



 あの、可愛い……フィルドさんとユリアさんが連れていた赤ちゃんが?


 なんで、急に小学生くらいの女の子に成長しているの!?



「そうそう。で、ここに呼んだのは……私達神の導き」


「……やはり、あなた方は神であらせられたのか?」


「そうよ、カイルキア? あなたが来たのは誤算だったけど」


「……帰されるでしょうか?」


「まさか」



 シアちゃん……である神様が、上に手を挙げた瞬間。


 暗かった空間が真っ白にと明るくなっていき……緑色の何かが彼女の後ろに二つ現れた。


 それと、もうひとつ。


 お爺さんとお婆さんのような神様が出て来た。



「よくここまで来たのお?」


「待っていたわ」



 まるで、私を知っているような……?


 と思っていると、お二人は自分の顔の前で軽く手を振った後に。


 フィルドさんとユリアさんに変身してしまったので、私の頭がパンクしそうになった。

次回は土曜日〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

こちらの作品も出来たら読んでみてください。
下のタイトルから飛ぶことが出来ます。



名古屋錦町のあやかし料亭~元あの世の獄卒猫の○○ごはん~


転生したら聖獣と合体〜乙女ゲーム攻略のマッチングを手助け〜
ツギクルバナー
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ