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160-4.目前(フィルド視点)

お待たせ致しましたー






 *・*・*(フィルド視点)








 いよいよ、来てしまったわい。


 姫が、本当の素性を知る日が。


 そして、儂らから選択を迫られてしまう瞬間が近くなった。


 予定としては、玉座の間でアインズバックが国王として対面してすぐに取り行うつもりじゃ。


 イシューとか言う、馬鹿な強固派に姫を殺させるつもりは毛頭ないわい。


 ただでさえ、姫はレイアークの世界でそれなりに悲惨な目に遭ったんじゃ……二度目は儂にもさせたくないわい。その時の記憶も、今日返還させるつもりじゃからのお?



「……姫には、出来る限り幸せになって欲しいからの?」



 そのために、今日まで色々あの子達の邪魔をしてしまったのじゃ。本来の身分を明かし、カイルキアとすぐにでも結ばれてもよかったかもしれんが……アクシアやロティのこともあって出来んかった。


 本来ならいくらか足りない、姫の『幸福の錬金術(ハッピー・クッキング)』で得たPT。それらの代わりとなるのが、『幸せの代償』だったからじゃ。


 わずか数ヶ月程度とは言え、何度かあった機会で得たその代償はそこそこ貯まった。


 それらがあれば、アクシアとロティの選択に必要なPTの代わりとなる。


 儂は、狭間の中にあるアクシアとロティの魂の保管場所に向かった。すぐに行けば、ユリアやシアも当然のように居たわい。



「じぃじ!」


「……姫達は、まもなく玉座の間に行くそうよ?」


「ふぉっふぉ。であれば、儂らの出番も近いのお?」



 地に足をついてからシアの頭を撫でてやると、ほぼ同時にフィーも幻影でやってきたわい。



『じい様。もうすぐ?』


「そうじゃ。お前と言うより、シアのためじゃ。余計なお節介はいかんぞ?」


『はーい』



 レイアークの世界の言葉を借りるなら、『役者が揃った』とでも言うべきか。


 可能であれば、レイもクロノも参戦させたいところじゃったが、フィーとシアだけでも十分じゃ。


 二人が姫のために動いていたのは知っていたから、下手に他の兄達に邪魔をさせない方がいいじゃろう。


 なので、儂は特大の水鏡をユリアに創らせてから、アクシア達とも一緒に玉座の間を覗き見るのじゃった。

次回は月曜日〜

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