154-2.誕生日会②
お待たせ致しましたー
*・*・*
カイルキア様に手を引かれて。
悠花さん達のいる真ん中のテーブルまで連れて行かれ。
さあさあ、と悠花さんからシャンパンのようなグラスを渡されたのだった。
「今日はチャロナの誕生日だ。無礼講とまではいかないが、大いに騒ごう。乾杯!!」
『『『乾杯!!』』』
カイルキア様が音頭をして、私の誕生日パーティーが幕を開けたのだった。
「お姉様!! お誕生日おめでとうございます!!」
ちょっとだけシャンパンのような美味しいスパークリングワインを飲んでいると、アイリーン様がやってこられた。
まだアイリーン様は成人されていないので、グラスの中身はジュースのようだったが。そのグラスを軽くかち合わせてから、アイリーン様は空いている手に持っていた何かを渡してきた。
「これは?」
「急ぎで用意しましたが、お姉様へのお誕生日プレゼントですわ!!」
「わあ、開けていいですか?」
「もちろんですわ!!」
グラスを近くのテーブルに置いてから、その箱を開けてみる。包み紙はなくて、でも手触りのいいベルベットのような質感の箱を開ければ。
出てきたのは、ネックレスだった。
シンプルだが、ワンポイントの宝石が素人目でもわかるくらい高価そうな。
「り、りりり、リーン様!? こ、これ!!?」
「本当は式典の時にお渡しする予定でしたが」
「い、いいい、いや、そうじゃなくて!?」
「絶対お似合いだと思いますわ! お兄様、お姉様につけて差し上げてくださいな?」
「……ああ」
「ええ!?」
と、カイルキア様がネックレスを取って、ささっと私の首につけて下さった。
吐息が近くなった時に、叫ばなかった私えらい!!
「お似合いですわ!!」
「ええ、本当に」
いつのまにかいた、シャルロッテ様までニッコニコの笑顔でいらっしゃった。
「……ああ。よく似合っている」
で、カイルキア様は緩く笑うんだから鼻血出そうになったわ!!?
「ほう? リーンがネックレスだったら、俺のはちょうどいいかもしれない」
次にやって来られたのはアインズさんで。
上着のポケットから、アイリーン様のよりはだいぶ小ぶりの箱を出して、私の手に乗せたのだった。
「開けてくれ」
「は、はい!」
これも素晴らしく手触りの良い箱だったので、慎重に開ければ。
濃い水色の雫型の宝石が輝く、イヤリング。
またもや、高級品だとわかるアクセサリーだった。
「君になら、似合うと思ってな?」
ちょっと貸してと、アインズさんは言うと。イヤリングをつまんで、私の耳につけさせてくれたのだった。
「え、え、え?」
「うん。いいな。これでティアラがあれば」
「おっれが用意したんだぞー!!」
「よくやった、馬鹿息子」
「馬鹿は余計なんだぞ!!」
と言うわけで、私は本当にお姫様のように着飾られてしまい。
恐れ多くて、いただいたアクセサリーを壊しやしないかと、ビクビク立っているしか出来なかった。
「んま!? 本当にお姫様みたいね? チーちゃん?」
「そうだな?」
悠花さんはエイマーさんを連れてやってきた。エイマーさんは、料理のことがあるのでいつものコックスーツのままだったが。
「ま、マックスさぁん、エイマーさぁん! 私、こんな素敵なアクセサリーいただいていいんですかぁ!?」
「良いに決まってるじゃないか?」
「チーちゃん、似合っているわよん?」
「ああ、そうだな?」
カイルキア様はまだ一緒にいてくださる。
今日は、本当にエスコートしてくださるようで、ずっと。
ご家族も来ていらっしゃるのに、いいのだろうか?
次回はまた明日〜




