152-2.最後の定例会②(ケイミー視点)

　＊・＊・＊(ケイミー視点)

　お姉さんが来なくなる。

　なんで？

　なんで？

　マザーはお仕事が忙しくなるって言ってたけど、それだけじゃないような気がする。

　けど、私達じゃ聞いちゃいけない。ダメ……なんだと思う。

　たくさん泣いて泣いて、とりあえずお姉さんの作ってくれたパンを食べることになったんだけど。

　紙みたいなのに包まれた、三つのパン。

　なんだろうと手に持ってみると、少し重い。

　紙には。

『ベーコンレタスバーガー』

『チーズバーガー』

『フィッシュバーガー』

　って、なんとか読めた。

　フィッシュって言うのがよくわかんないけど、チーズやベーコンは大好き。

　まずは、ベーコンから開けてみたら。

「美味そ！？」

「「「「お肉いっぱいだ！！」」」」

　たしかに、ベーコン以外にもお肉が分厚いのが挟んであるサンドイッチのようにも見えた。

　柔らかいパン。お野菜、お肉、ベーコン。

　大きさは、少し小さいが三つも種類があるんだからちょうどいいかもしれないわ。

　ぱくっと食べてみると、カリカリのベーコンの中からジュワッとお汁が出てきて。けど、全然嫌じゃなくて。

　お肉みたいな少し分厚いのは、ステーキとかじゃない！？

　もっと柔らかくて、味がついてて、上にケチャップの味付けがして最高！！

　レタスの方にもマヨネーズで味付けされている。とってもとっても美味しい！！

「おいひい……おいひい！！」

　小さいから、あっと言う間に食べちゃったけど。少しずつ食べなくちゃ。

　だって、お姉さんのパンを食べれるのは今日までだから。

「ケイミー！　こっちのチーズのも美味しいよ！！？」

　ターニャがもう二個目を食べていて、ぶんぶんと腕を振っていた。そっちもそれだけ美味しいんだ……！

　なので、チーズバーガーと言うのを開ければ。

　見た目はちょっと驚いたけど、チーズが凄い！！

　少し溶けているけど、とってもいい匂いだった。

「ふ、ふわ！？」

　溶けてるチーズが。

　お肉とケチャップと一緒になって。

　パンも柔らかくて柔らかくて。お野菜はほとんどないけど、ちょっとぴりっとしたのはあった。なんだろう？

　でも、全然気にならないくらい美味しい！！

　もっともっと、って思ってたら……またなくなっちゃった。

(あと……一個)

　フィッシュバーガーって言うのはなんだろう？

　紙を開けてみると、ちょっと見覚えのある食べ物がパンに挟んであった。

「……揚げ、たなにか？」

　シュライゼン王子様に教えていただいた、お魚のフライのような。チーズも挟まっている。

　ゆっくりゆっくり口を近づけて、食べてみれば。

「お魚だ！！？」

　全然お魚の変な臭いもなくて、あのタルタルソースが入ってて。チーズもあって。

　これも美味しくて、ぱくぱくと食べてしまった。たった三つでもとっても美味しくて満足した。したんだけど……。

(これで……終わり)

　まだお菓子教室はあるけど、お姉さんのパンを食べられるのは今日までなんだ。

　また悲しくなってきたけど、ゴシゴシと涙を拭いて。ターニャとクラットと一緒にお姉さんのところにお礼を言いに行った。