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151-3.試行錯誤(ケイミー視点)

お待たせ致しましたー






 *・*・*(ケイミー視点)









 お姉さんが、明日やってくる。


 最近、またひとつ年を迎えた私や他の子達のために、マザーや職員の人達がお姉さんに教えてもらったパンケーキやマフィンで祝ってくれた。


 明日は何が食べられるんだろう?


 何が作れるんだろう?


 すっごく気になるが、明日まで我慢我慢。


 それに、美味しいおやつが作れるようになったんだから、今日のおやつはスフレパンケーキ。


 昨日、ベリーで色んなジャムを作ったから。お姉さんにジャムをつけても美味しいと教わったんで、パンケーキを作ることにした。


 マザー達にはちゃんと許可をもらって、厨房で私くらいの大きな子達中心で作る。


 作るはいいんだけど。



「「「「「……………………!!」」」」」



 重要な泡、メレンゲを作るのにはもう無言で、一生懸命作るのが普通になってしまってる。


 声を大きくして作るのも大変だったけど、いつのまにか皆無言になってしまったのだ。


 まあ、変に騒ぐよりかは全然いいんだけど。



「〜〜う〜〜ん。俺チョコ味が食べてみてぇ」



 粉をふるっていたクラットが、ぽつりと呟いた。



「チョコ味?」


「今日はジャムで食うだろ? けど、もっと甘いの食いたい!」


「そうね? 私もちょっと興味あるー」


「チョコを溶かして混ぜたら、焦げそうだけど」


「だよな〜?」



 明日来るお姉さんに聞けるだろうか。


 聞いていいかもしれない。お姉さんは優しいから。


 ただ、ずっと気になっていたことがある。


 お姉さんの顔、亡くなられた王妃様にそっくりだったこと。


 シュライゼン王子様には、お貴族様とかどうとかは聞けなかったけれど。きっと、絶対、お姉さんは王子様のご親戚なのかもしれない!


 妹様だと言うのは、聞いたことがないけど。お姉さんは自分がどうとかは何も言わなかった。


 だから、今は聞いちゃいけないんだ、と私は我慢している。



「ねーねー! ココア入れるのはー?」



 少し長めの金髪の男の子、リアンがこっちに向かってぶんぶんと手を振った。



「「「ココア??」」」


「ほら〜? 蒸しパン作る時、チョコと一緒にココア入れてたじゃん? 粉だし、一緒に入れていいんじゃないかな〜?」


「「「おお!!?」」」



 たしかに、ココアなら粉に混ぜる感じでいいかもしれない。


 少し、少しずつクラットが他の粉と一緒にふるって行き、私はメレンゲ。ターニャは生クリーム作り。


 他の子達も、一緒に頑張って。


 ただ、焼いた時は思ったよりチョコの色にはならなかった。



「失敗?」


「食べてみなきゃわかんないよ?」


「ちょっと食べてみる?」


「おっれもー!」



 リアンもやってきたので、四人で分けて食べたら。


 ふわふわとろんとはしたけど、思ったよりはチョコの味もココアの味もしなかった。



「「「難しいね〜〜??」」」


「けど、美味しいよ〜?」


「マジ?」


「生クリームとかが甘いから、つけたらちょうどいいと思うよ?」



 リアンがにっこにこで答えてくれたのは嬉しいけど。


 ほんの少し、ほんのちょっとだけ不思議な感じがした。


 リアンは、いつからこの孤児院にいたっけ?


 私達とはすぐに打ち解けたけれど、こんな子がいたのかな? と不思議な気持ちになった。


 首を傾げていると、リアンが指を立てながら口に当てた。



【内緒】




 その言葉を聞いた後、リアンはずっとずっと昔からいるんだって思い出したのだった。

次回はまた明日〜

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