149-3.瞬間解凍と瞬間保温
お待たせ致しましたー
*・*・*
本当に、本当にもう!
嬉しくて嬉しくて仕方がない!
同僚のみんなに心配をかけていたけど、手作りの贈り物をもらえるだなんて思わなかった。
一生懸命、頑張って作ったって言うのがわかるリース。
ちょっといびつなとこもあるけど、そこがまたいい。
ご飯を食べ終えて、また部屋に戻ってから。ロティと一緒に眺めていた。
『きゃわいいでふうう』
「うん、可愛い!! あ〜……こんな素敵なもの貰ったら、お返し頑張らなきゃ!!」
ミートパイ、絶対頑張って美味しいものにしなくちゃ!
そのために、今は眠くないので『抽出』を使って、レシピを取り出して。
念入りに念入りに確認してから、ロティの新技能である【瞬間解凍】と【瞬間保温】を試すことにした。
『氷、出ちてくだしゃい』
「うん。あ、解凍だからなんか桶とか」
顔を洗う時に使う洗面器のとこで、氷の魔法を使うことにした。拳大の塊を出して、洗面器の中に入れて。
次に、ロティがくるくると宙で回ってから。
『解凍ぉおおおおお!!』
力強く叫んで、ロティの手のひらから紫色の粒がたくさん出てきた。その粒が氷に触れたら……あっという間に溶けちゃった!?
「本当に一瞬で溶けた!?」
『レベルあっぴゅしゅれば、解凍の調整出来まふ!!』
「わかった! じゃ、保温? だけど」
そっちを試すと、水になった氷をすぐにお湯にしてくれる優れものだった。しかも、自動で保温する機能みたいに、しばらくあったかいままに出来るそうだ。
この調整も、レベルアップさせれば大丈夫だそうで。解凍はレベルアップさせれば逆に瞬間で冷凍することも可能らしく。
デニッシュ生地を作ることが増えそうだから、残ってたコロンのほとんどを注ぎ込んで。
何回か調整してたら。
「チ・ぃ・ちゃん?」
「いだたたたた!?」
夢中になっていたら、いつ来たのか悠花さんに頭をぐりぐりされてしまった。
「休んでいると思ったら、なーに魔法っぽいことしてんの!?」
「だ……だって、ロティの新技能試したく……いだたたたた!?」
「問答無用!!」
とにかく休め、とベッドに運ばれてしまい。
布団に入れられたら……思ったよりも疲れてたのか、すぐに眠気がやってきた。
『ロティも眠いでふぅ……』
ロティにも無理させてたんだな、と少し反省してから目を閉じたのだった。
次回はまた明日〜




