147-3.チョコクロワッサン②
お待たせ致しましたー
長方形に伸ばして、半分に折って。
この折る作業も大変。冷やしていたから、結構固いのだ。
『ぐぎぎぎ!』
レイ君も必死だ。
とりあえずこれをまたラップで包んで、ロティの発酵器で三十分くらい冷やして。
次は、三つ折り。
その次は伸ばす方向を変えてから、同じように折っては冷やす作業を三回くらい繰り返して。
「「『ぜーぜー……』」」
いつもの手ごねよりも大変な作業なので、皆さんお疲れです。私も大変だったけど、思ったよりは疲れなかったので、皆さんに少し温かい甘いカフェオレを淹れました。
『甘い〜〜……』
「生き返る……」
「これは大変な作業だね?」
甘々カフェオレで、全員ほっとしてくれたようです。
「パイはパン作りの中でも、ある意味フランスパン以上に大変ですからね?」
カスがぼろぼろこぼれやすいけど、サクサクしてるし。濃厚なバターの甘じょっぱさでやみつきになること間違いなしだから。
「うん。あの生地にも驚いたけれど、今回もすごいね? 冷やさないといけないのも難点だけど」
「バターが溶けちゃうと、生地がべちょべちょになりますから」
さて、成形前にキャラメリゼ用のバターと砂糖の準備をして。
生地が冷えたら、また長方形に伸ばして。スケッパーで二等辺三角形のように切っていく。これに、チョコソース? をちぎってのせていき。
「チャロナくん、これを巻くの? かな?」
「はい、エイマーさん。ゆっくり慎重に巻いてください」
チョコソースを芯にしちゃえば形はそこまで難しくはない。
巻き終わった後、お三方は声を上げてくれました。
「「可愛らしい!」」
『こうなるでやんすね?』
「最後に。焼いているとチョコがあふれるかもしれないので、端は潰しておきます」
キャラメリゼを塗るのはすぐではない。塗って、ずーっと焼いちゃうと焦げちゃうからだ。
最初は高温で短く焼いて、そこからキャラメリゼを塗るのです。
砂糖の粒が多く残ってるほど、綺麗な照りになるから重要ポイントだ。
『ふわわ〜〜、この時点でもバターの焼けるいい匂いがするでやんす〜〜』
んでもって、一度ロティのオーブンから取り出したクロワッサンからは。暴力的なくらい、いい匂いが厨房全体を包み込んだのでした。
「キャラメリゼが少し焦げると、もっといい匂いするよ?」
『くぁ〜! 堪らんでやんす!』
「そうだね? あそこの三馬鹿達も我慢出来なさそうだが」
「三馬鹿?」
誰だ? と、エイマーさんが親指を向けた方向を見たら。
カウンターの方に三つの人影があり。
よだれを垂らしそうな、サイラ君、ピデット君、シャミー君が立っていたのでした。
次回はまた明日〜




