145-2.第五回パン教室②
お待たせ致しましたー
シャケとサバは臭みを抜くのに、塩と酒を振って。
以前フィルドさん達にいただいた日本酒だけど、いくら使っても使ってもなくならないのだ。
瓶はワインとかにも使う感じなのに、全然なくならないのだ。ただし、ある程度なくなったら、継ぎ足しされるようになみなみと補充される感じ。
このボトル、魔法道具なのだろうか?
豆乳の方も、いつまでも新鮮なものが継ぎ足しされていくし。
は、今はしばらく会えないので気にしてはいけないから。
今は皆さんに、シャケでフライ。サバでレモンをかけた塩サバを作るのを教えなきゃ。
「……なんだい? その独特の匂いがする水は?」
「これ、お酒なんです。ある方達からいただいたんですが」
「酒? 水に見えるが」
フレイズ様には、私の前世のことは話されているようなので日本酒のことなどは伝えていいだろう。
たしか飲んでも大丈夫だとユリアさんが言ってたので、ほんのひと口程度小皿に入れてからフレイズ様に渡した。
「ひと息で飲まれないように。かなり強いお酒なので」
「ほう?…………!!?@#%*!! かっら!? つよ!!」
「だ、大丈夫ですか!?」
「い、いや……げほん! うむ。刺激には驚いたが、あと口がスッキリする。アーネスト殿なら好きそうな味じゃな?」
「チャロナ〜、俺にもひと口」
「気をつけてくださいね?」
と、ロティと成人されていないアイリーン様以外の全員も口にすることになったら。エリザベート様が強く咳き込まれた。
「これは、相当強い酒ね? チャロナさん、これを料理に使うとどうなるのかしら?」
「旨味が強くなり、魚とか肉の生臭さを軽減出来るんです。だから、今回は魚にふりかけました」
「臭みを……?」
「食べていただければすぐにわかります」
臭み抜きの間に、ゆで卵を使ったタルタルソース作り。
あとは野菜の選別。
水切りが必要な野菜は丁寧に洗って水を切り。
途中、ガス抜きとかが必要になった生地には手を加えて。
時間も時間なので、時間短縮を使うことにした。
「クイック……?」
「私の持ってる技能なんです。煮込み料理とか、待ち時間を短く出来るものになります」
「ふむ。見せてくれないか?」
「はい」
バナーを二本召喚させて、操作をして重ね合わせてから。
『にゅ〜!』
「重ねがけ、短縮化!」
『最大短縮ぅううううう!!』
で、対象となったボウル全部の濡れ布巾を開けたら。
見事に倍以上に膨らんだ生地が出来上がっていたのだ。
「な……!? 一瞬で生地が!?」
当然、フレイズ様は驚かれて私と生地を交互に見たのだ。
「こう言う使い方が出来るんです」
「素晴らしい!! 手間が省けて、色々料理が出来そうだ!!」
「そうですね? 他にもあるんですが、成形が終わってからお見せします」
「うむ!」
そして生地を分割する前に、魚を洗って。銀製器具からキッチンペーパーを出して水気を取る作業だけでも。
フレイズ様は少女のようにはしゃいでしまいましたとさ。
次回はまた明日〜




