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142-2.対策(マックス《悠花》視点)

お待たせ致しましたー






 *・*・*(マックス《悠花(ゆうか)》視点)











 なんですって!?



「「「アルフガーノ家が襲撃を受けた!?」」」


「死傷者はいねーが……色々ぶっ壊された。腹立つぜ」


「カレリアは?」


「余裕で伸してた。師匠(マックス)の仕込みのお陰だろ」


「あらそう?」



 誰も死んでいないのはよかったけど。


 まったく、例の男爵の私怨がよっぽど根深いのね?


 フィーの方も、そいつの手の者が襲ってきたけど、全員返り討ちに遭って。尋問されて男爵の名が出てきた。


 親父がミュファン達に頼んで、半分男を捨てさせるような仕打ちはご愁傷様だーけーど?


 フィーんとこに襲撃させたのは間違いね? カレリアが身重でもまだ安定期手前だからって動けないわけじゃないもの。


 ある意味、あたしより動ける組手のプロに挑んでも返り討ちに遭うだけだわ。



「……余程。アーネスト殿の弟子となった人間が憎いのか」



 んでもって、カイルはカンカンのカンカン。


 血管が浮き出るくらいに眉間にシワ寄せてるから怖いのなんの。


 ガチで、親父さんそっくりの顔だから美形な分凄みがあるわ。チーちゃんには絶対見せたくない顔ね?



「あの爺様の弟子か? カーミィは面白い爺様としか思ってねーが。姫様まで弟子になったんなら、男爵のように虎視眈々と狙ってる連中にとっちゃ面白くないだろ? 殿下もわかってんのに、なんで放置してんだ?」


「……それが。式典で見せつけようって言ってるんだ」



 答えたのは、あたしじゃなくてレクターだった。



「見せつける?」


「王女として、そして稀代の料理人でもあり錬金術師でもある。その実力を見せつけたら、仮に襲撃に遭っても王の御前だから、手討ちだけじゃ済まないだろうって。ここは、敢えてその可能性を利用するんだってさ」


「……まあ。式典には俺らもいるから。防御対策は大丈夫に等しいが」


「シュライゼン様や陛下もいらっしゃるしね?」


「あの親子の本気の喧嘩は誰にも止められねーかんな? うちの爺様でも無茶だって言うくらいだしよ」


「…………ひとまず。無事で良かった。俺達の方は警備をさらに強化して、フィセル殿から暗部部隊を借り受けている状態だ。……そうそう、姫には手出しさせない」


「なら、よかった。が」


「神からの啓示ねぇ?」



 今更、フィーにだけ御告げをするだなんて、どう言う心境の変化かしら?


 しばらく来れないって言ったのは、まさかこれからの為。つまりは、チーちゃんの式典のために、あちこちでトラブルが発生するから?



「……記憶を改竄するわけでもない。処罰を下すわけでもない。ただ……啓示させただけ、か」



 カイルは髪を少しかいてから、応接スペースのソファにどっしりと腰掛けたのだった。



「ま。お前らも無事ならいい。ひとまず、式典当日までは姫様の訓練とかにも来れねー。そこだけは済まんな?」


「それはいい。姫の方も行儀作法メインで過ごしているからな。ドレスで無茶は出来ん」


「けど、当日がわかんねーだろ?」


「……なら、俺かマックスが対応する」


「俺ぇ?」


「不服か?」


「まさか」



 限界値まで仕込むわよ! カレリア並に!!


 と叫んだら、流石に頭殴られたけど。


 とりあえず、来たる日が近づいているので。今日から早速取り掛かることになった。

次回はまた明日〜

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