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142-1.アルフガーノ家襲撃(フィーガス視点)

お待たせ致しましたー






 *・*・*(フィーガス視点)








 何が起こったのか、瞬時に理解出来なかった。


 執務をしていたはずなのに、昼寝をしていたわけでもないのに、白昼夢を見せられて神からの啓示を受けた。


 それだけで、すげーことなのに。神の言う通りにすぐに屋敷にどこの手の者かわからねーが襲撃されたのだ。


 だが、冒険者稼業から足を洗ったと言っても、まだ半年。


 すぐに攻撃を避けて、俺は台無しになった執務机をぶっ壊されたことに腹が立った。



「てっめ!? それ高かったんだぞ!?」



 と、言葉を投げたところで、相手にもされないことは承知の上。


 むしろ、俺が奴に向ける攻撃を読もうととしているところか。


 白昼堂々と、この屋敷の警備を縫ってきた野郎だ。慎重派なのだろう。



「……殺す覚悟で挑むのは……ちぃっと胸糞悪りぃが」



 強固派か、あるいは別か。


 どちらにしても、現アルフガーノ伯爵の当主を始末するとは良い度胸だ。


 なら、俺はためらうのをやめた。


 次の攻撃が来る前に、こっちから殺す覚悟で攻撃魔法を練るに練った。


 無詠唱のように見えるだろうが、頭で詠唱すれば発動する俺のオリジナル魔法は。


 この国もだが、他国の宮廷魔術師・魔法師が舌を巻くくらいだ。小手先だけの魔法なら、無詠唱でも可能だ。


 姫様にも、飲み込みが早いからそれを教えたまで。


 指を鳴らして、発動命令を打ち出し、すぐに青い炎が刺客の身体を包み込んだ。



「ぐ……!? が、はぁ!!」


「どーだ? 強力だろ?」



 殺す覚悟はしたが、尋問する気ではいたので加減はしている。


 どこの手の者が俺に喧嘩を売るとか、調子に乗った連中がいるもんだと腹が立っているからだ。


 そして、ついさっきの神からの啓示通りなら、俺のとこだけで済まないはずだ。


 炎の熱とかで、完全に気を失った刺客の首根っこを掴んで、廊下に出たら。



「フィーさん、大丈夫だった!?」



 やっぱり、そっちも襲撃に遭ったのか。


 カレリアも刺客らしい黒焦げの人間の首根っこを掴んで引きずっていた。



「……身重なのに、無茶しやがって」


「フィーさんこそ。お仕事中に襲われたの?」


「ああ。……机買い替えだな」


「えー、あれせっかくの記念だったのに」


「壊されたのは仕方ねえ。……無事で良かった」


「フィーさんも」



 カレリアが錬金術師のエキスパートだけだと思うのは大間違いだ。


 パーティーの紅一点だったが。手練だったメンバー、特にマックスがいたからこそ。自分の身を守れるくらいには鍛えられ、結果マックスの次に徒手では敵無しになったのだ。


 身重でなかったら、俺もやべーぐらい。とりあえず、鍛えた護身術が役に立って良かった。


 黒焦げになった刺客は他にもいたのは、警備の者達がなんとか対処したらしく。


 尋問も、担当の者に任せたら。



「イシュー=メルバルド……男爵の者か」


「はい、旦那様。全員口を割らせたところ、その名前を」


「……そうか、わかった」



 女神の啓示は、たしかカイルんとこも危ないと言っていた。


 なので、急いで屋敷の警備をさらに強化させてからカイルんとこまで転移したのだった。

次回はまた明日〜

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