表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

555/825

138-5.その時の選択まで

お待たせ致しましたー






 *・*・*








 カイルキア様とお出かけ。


 デート。


 デート。


 デート、だとぉおおおおおおお!!?


 とにかく、お弁当作りを悠花(ゆうか)さんにも手伝ってもらったので、今無限∞収納棚にしまってはいる。


 超ハイスピードで、なぜかメイミーさん達がお出掛け用のおニューの服を仕立ててくださった。


 カイルキア様にも、お風呂に行く前に呼び止められて、改めて言われた。


 そして、近くで聞いてたエスメラルダさんにお風呂で色々と磨かれた。


 なので、今の私は自室でクタクタ状態なのだ。



「うわあああああ!! うわああああ!! どーしよ!? どーしようううううう」


『でふぅ!! でーちょでふぅうううう!!』


「そう言うけど、ロティ!? 二回目だよ!? あれっきりの、使用人を労う意味でお出かけだけだと思ってたのに。二回目だよ!!?」


『にゅ? うれちくにゃいんでふ??』


「う……嬉しい…………けど」



 嬉しくないわけがない。


 だって、好きな人とのデートがこんな頻繁にあるだなんて思うのだろうか!?


 ただの労いだよね? もし、違ってたら。


 悪い方向じゃなくて、私の希望的観測があるとしたら。



『にゅ?』


「……私、死ぬの?」


『にゅ!? どーちたんでふか!?』


「だってだって!!? 私、ただの使用人なんだよ!? しかも一番新人が、旦那様に頻繁にデートに誘われるっておかしくない!!?」


『にゅ〜……ご主人様はもっとじちん持った方がいいでふ』


「だって〜〜」



 前世でも彼氏ゼロでデート経験無し。今世でも同じく。


 初恋かと思いかけてた、リンお兄ちゃんとはあの頃一緒に出掛けたりはしたけど……うん、ただの幼馴染みとしか思えない。


 うんうん、唸っていると。ロティに珍しくほっぺをぎゅむっと押しつぶされた。



『ご主人様、忘れりゅかもしれまちえん』



 ロティの紫の瞳は真剣そのものだった。


 そこから、意識がなくなり。気づいたら、真っ暗闇の中。


 どこだ、と思っても声が出ない。


 音が……出ないのだ。


 すると、私の目の前に見覚えのある女性の姿が出てきた。



『……選ぶ時が近い』



 私に言っているようで、独り言に聞こえた。


 それは何の選択か。聞こうとしたら、彼女に唇を指で押さえられた。



『近い。近いの……けど、あなたが選ぶのはきっとどれでもない』



 何の選択か。


 聞こうにも聞けない。


 そして、何故か切ない声を聞くたびに、胸が苦しい。


 涙も溢れて、つーっと流れる感覚に……ユリアさんはにこりと笑うだけだった。



『もうすぐなの。ごめんなさいね?────」



 名を呼ばれたはずなのに、自分じゃないと自覚した途端。


 目が覚めて、部屋がとても騒がしかった。



「! レクター!? チーちゃんが!!」


「!? チャロナ!?」


「え、起きた!?」



 どう言うわけか、部屋は夜じゃなくて夕方で。


 私の部屋には悠花さんやカイルキア様に、レクター先生がいらっしゃった。



「ゆ……か、さん?」


「あんた大丈夫!? ほとんど丸一日起きなかったのよ!?」


「え……」



 カイルキア様とのデート、と不相応なことを考えてしまったが。


 じわっと涙が溢れてしまい、私は子供のように声を上げて泣いてしまったのだった。

次回はまた明日〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

こちらの作品も出来たら読んでみてください。
下のタイトルから飛ぶことが出来ます。



名古屋錦町のあやかし料亭~元あの世の獄卒猫の○○ごはん~


転生したら聖獣と合体〜乙女ゲーム攻略のマッチングを手助け〜
ツギクルバナー
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ