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135-3.認められた実力

お待たせ致しましたー






 *・*・*









 メイミーさんに、ハンカチとカーディガンのお洗濯を教わってから、乾燥の生活魔法を教えていただき。


 ロティを肩に乗せてから、カイルキア様の執務室に向かったら。



「おお、チャロナちゃん!!」



 つい先日いらっしゃったばかりの、カレリアさんのお師匠さんである錬金術師であり、ハーフエルフの素敵おじ様なアーネスト=ラピュンツェルさんがいたのだ。


 あと、シュライゼン様も。なんでだろう??



「こ、こんにちは、アーネストさん。シュライゼン様も」


「やっほー! 今日はちょっとチャロナに良いことを持ってきたんだぞ!!」


「いいこと??」


『でふぅ?』



 またまたなんだろうと思っていると、シュライゼン様がポンっと魔法で何かのカードを取り出したのだった。



「アーネスト殿からの提案でね! 君を彼の弟子にするって証明書なんだぞ!!」


「え……ええええええええええ!!?」


『でふぅうううううううう!?』



 なんで、お城お抱えの錬金術師さんの弟子に任命されたわけ?!


 私なにかした!? ロティの発酵器(ニーダーポット)を見せてパンをご馳走しただけだよね!?


 なんで、なんで!?


 すると、アーネストさんは何故か私の前にひざまずいたのでした!?



「これは……儂が必要だと思ったから提案したのじゃよ」


「……え?」


「君の持つ異能(ギフト)は単なる特別と片付けられない代物だ。今はこの屋敷に雇われている身だが、自由に各地を行き来出来る身となれば。保証もいくらかなければ怪しまれるだけですまない。なら、この国の陛下より勲章を賜っている君になら……儂の弟子の称号を与えても良いと思ってな?」


「そ、そんな!? 私には、ただ前世の知識があるだけで」


「ほっほ。謙遜も良いが、自信を持ちなさい。君は素晴らしい料理人じゃ。そして、料理は錬金術にも密接に関係しておる。カレリアはいささか不明ではあるがの?」


「……私、が錬金術師?」



 たしかに。前世の記憶と異能の開花でマシにはなったけれど。こんなすごい錬金術師ご本人に褒められるだなんて。


 夢にも思わず、自然と涙が溢れてしまったのだ。



『ご主人様ぁあああ!?』


「う、う……だって、ロティ」


『違うでふ!! おしぇんたくもにぃ!?』


「あ」



 訪問理由を忘れていたので、急いでカイルキア様に二つともお返ししたのだ。顔がぐちゃぐちゃで大変申し訳ないが。



「別に返さずとも良かったんだが」


「このような高級品を、使用人にほいほい与えてはいけませんよ!?」


「…………わかった」



 今の間はなんだったのだろうか?


 少し気にはなったけど、とりあえずお返ししてからシュライゼン様がお持ちだった証明カードをいただき。


 私は、セルディアス王家お抱えの宮廷錬金術師様の弟子になったわけである。



「早速だが、チャロナちゃん!」



 カードに印字された自分の名前にウキウキしていたら、アーネストさん……いいえ、お師匠様に質問されたのです!



「なんでしょう?」


「あのニーダーポットの数字表記が難しいんだ!! 仕組みをもっと知りたい……儂にもパン作りを教えてもらえないかい? 可能なら、魔導具制作も捗ると思うのじゃ!」


「わ、わかりました!」



 そっちが本音なんじゃ……と思うが、それに拒否する気持ちは全然ない。


 今が楽しいのだから、私は頷いて。皆さんで明後日にパン教室で作るパンの内容を決めたのでした。

次回はまた明日〜

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