表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

501/825

【記念SS】人形を作ろう!

500話突破記念SSですん!






 *・*・*(アインズバック視点)








 ぬいぐるみ作りは、まず材料から吟味せねばならない。


 布


 綿


 リボン


 糸


 飾り付けの宝石


 などなど




 男にしてはあるまじき趣味だと思われるだろうが。いつのまにか得意となっていたのだから仕方がない。


 念願だった、好いていた女性と結ばれる以前からも、彼女に喜ばれ。


 弟には少々飽きられたが、アクシアのためにと腕前は成人以降もメキメキと上達してしまい。


 服飾にまで手を出せば、それもまた技術をモノにしてしまったために。



「うーん……今回はどうすべきか」



 行方不明であった、愛娘が見つかり。


 まだ父親として名乗り出てはいないが、はじめての生誕の祝い。


 であれば、俺の持てる技術を集めて、最高のぬいぐるみを作るべし!


 それしかない! と思っているのだが。


 既にふたつ、手作りのぬいぐるみを贈っているのでどうしようか悩んでいた。



「愛玩タイプの魔物(モンスター)もいいが。人形……あの子を模したヴィスクドールも捨てがたい……」



 だが、後者はアクシアにはいまいちだったので、娘のあの子も嫌がるかもしれない。だが、あの子のこれまでを占めているのはホムラでの生活に加えて……異世界での前世の生活。


 俺達セルディアス王家の生活は含まれていない。


 なら、逆に喜ばれるかもしれない。


 そうと決まれば! と、出来るだけ愛らしいヴィスクドールを作ろう!


 俺はすぐに材料をカイザークに手配させて、執務を無理矢理終わらせてから取り掛かることにした。



「始めるのですね、陛下」


「ああ。かなり久しぶりに作るが、マンシェリーの祝いのためだ! 愛らしく美しく作るぞ!」



 石膏を準備して、一から顔の造形をする。


 それで人形の顔が決まってしまう。いくら王家に属する者でも、時間は有限にしかない。慎重もだが、素早くとり行う。


 顔が決まったら、身体、手足と続き。


 陶器なので、焼き上げてから冷ますまでが一連の仕事。


 うまくいったら、割れないように結界で保管。その後に、俺の得意とする縫い物!


 衣装は、カイザークから報告を受けた、マンシェリーが式典当日に着る予定でいる正装のデザインから写し取り。


 そっくり同じに縫っていく。こればかりは時間をかけたいので、何日かに分けて作業をした。



「ふ、美しい」



 我ながら惚れ惚れしてしまう程の出来栄えだ。これだと、等身大の女性の衣服まで縫えそうだが。女官やお針子達の仕事を取ってしまうのはいけない。


 これはあくまで、俺があの子の父親として作っているだけなのだから。



「ああ、アクシア。いよいよあの子が帰ってくる!」



 城にとどまってくれるかまではわからなくとも。一度でもこの城に戻って来てくれる。


 積年の思いが実現出来るのなら、神よ。


 我が子を一度でもいい。赤ん坊以来の抱擁を許していただきたい。


 人形の目を作りながらも、俺は思わずにいられなかった。

次回はまた明日〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

こちらの作品も出来たら読んでみてください。
下のタイトルから飛ぶことが出来ます。



名古屋錦町のあやかし料亭~元あの世の獄卒猫の○○ごはん~


転生したら聖獣と合体〜乙女ゲーム攻略のマッチングを手助け〜
ツギクルバナー
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ