126-2.特注品でゴマ団子!②
お待たせ致しましたー
勢揃いしてから、まず声を上げたのは悠花さんだった。
「お!? 黒胡麻だけど、ちゃんとゴマ団子になってんな!」
「皆で頑張ったんだもん!」
「真っ黒だけど、光っているようにも見えるんだぞ!?」
「揚げてありますので」
とりあえず、ぱっと見どれがどれだか分かんないように見えるけど、ちゃんとこし餡とカスタードには仕分けていますとも。
「チーちゃん、中身は?」
「手製のこし餡とカスタード」
「ひゃっほう!」
「「「こしあん??」」」
「かなり手間をかけた、餡子と思ってください」
「楽しみなんだぞ!!」
では、と食べる前に注意点をひとつ。
「揚げたてなので、中身もかなり熱いですからお気をつけて」
全員頷いてから、いただきますをしてフォークに刺したゴマ団子をひと口。
【PTを付与します。
『コロコロゴマ団子(黒胡麻)』
・製造50人前=10000PT
・食事一個=100PT
→合計10100PT獲得
レシピ集にデータ化されました!
次のレベルまであと4578775PT
】
外側は油の中で念入りに揚げられたので、カリッと。
中からはトロッとカスタードがあふれてきて。
カリカリに揚げられた皮の部分、つまり団子の部分とうまく調和している。加えて、この胡麻の香ばしさ。一級品と頷けるくらい素晴らしい食材!
「むむむ!? 物凄く香ばしいんだぞ!? パンとも全然違うんだぞ!! 表面はカリッと……あとなんか、口の中でもちゃもちゃするけど」
あ、そうか。
お米が主食じゃないこの国だともちもちがわからないのも無理はない。それに、シュライゼン様はお餅を食べていなかったはずだから。
「今回はもち粉と米粉と言う粉を使いました。シュライゼン様が違和感を持たれたのは、その食材の関係です。お餅と言うのを一度召し上がられたら、納得出来ると思うのですが」
「おもち?」
「ホムラやコクレンで主食となっている穀物の加工品です。お米に類似しているんですが、食事方法が違ってきます。もち米を炊いた後、特殊な道具でこねると粘り気が異常に出るんですが、もちもちした食感になるんですよ?」
「ほう! その材料で粉にしたのを今回?」
「はい。団子専用の粉がないので、代用しました」
白玉粉とかは上新粉があれば楽だけど、【枯渇の悪食】で潰えた世界なのに、よくここまで持ち直したと、逆に称賛をあげたい!
が、調理法まではほとんどメシマズのままだけども。
「ちょ、カイル食い過ぎ!?」
「ほんと、食べ過ぎだよ!!」
そして、カイルキア様だが。
お気に入りの一品になってしまったので、ゴマは御用達じゃなくても定期的に取り寄せると決めるくらい。ゴマ団子が好物のひとつになってしまったのだった。
「しかし、これは美味しいんだぞ!? カスタードもだけど、アンコも丁寧に作ってくれたお陰かトロッとした感じだし!」
「おまんじゅうも、日本では小豆が主流だったので。小豆の需要が高まれば、ホムラでも美味しく出来ると思うんですけど……」
「小豆はどうやって手に入れたんだい?」
「えっと……シュライゼン様は一度お会いになられたかと? 金の髪と黒い瞳のフィルドさんって男性とその奥様からです」
「……ほう?」
一瞬、シュライゼン様の目が光った気がしたけど、気にしないでおこう。
「今は、菜園で定期的に収穫出来るくらい育っていますけど」
「ふぅむ。カイル、一部分けてくれないかい? ホムラに今度行った時に見せてみるんだぞ」
「ああ、構わない」
とりあえず、小豆の拡散のためにも。
お手伝い出来るところはお手伝いしようと思ったのだった。
次回はまた明日〜




