126-1.特注品でゴマ団子!①
お待たせ致しましたー
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胡麻をいただいた翌日。
私は前日からシェトラスさん達と準備をして、いよいよゴマ団子作りに挑む。
まず、中身にはごま餡よりは通常のゴマ団子の中身がいいだろうと。こしあんに加えて、カスタードも準備しました。
「お団子の生地には、白玉粉がないので。ラスティさんにお願いした『もち粉』と元々ある米粉で作っていきます」
「昨日も聞いたけど、チャロナちゃん? オダンゴと言うのは、ホムラのお菓子のひとつなんだね?」
「はい。おまんじゅう同様によく食べられています。小豆の文化がなかったので、中身はごま餡がほとんどでしたが。私の前世で食べた以上に甘ったるい味付けでした」
「それをチャロナくんが、美味しく仕上げてくれるのだろう?」
「はい! 頑張りましょう!」
『でっふ!』
まずは、
もち粉
米粉
砂糖
塩
を大雑把に混ぜて。そのあとに水を少しずつ加えて混ぜていき、耳たぶくらいの硬さになるまでよくこねていく。
出来上がったタネを、だいたいピンポン玉。ひと口サイズよりもやや大きめに分割して丸めていく。
次に、生地より少々小さめにこし餡を丸めて、カスタードは一晩冷やしてあるので包む時にスプーンですくう。
「丸める準備が出来たら、まずは丸めた生地を少し平らにして」
こし餡を見えないように包んでいき、カスタードも漏れ出ないように慎重に。
出来上がったら、とにかくバットに並べていく。ゴマをまぶすのは最後。
ロティ以外の全員で包み終えたら、レイ君が手を挙げた。
『カレーパンの時みたいに、水で表面を濡らしてからゴマをつけるでやんすか?』
「レイ君正解!」
昨日、孤児院の差し入れの練習用にカレーパンを試作したからわかったのだろう。揚げる工程も似てるから余計に。
方法がわかったら、カスタードと餡子と分ける用にしてゴマをまぶしていき、出来上がったらロティが変換したフライヤーと厨房のフライヤーと手分けして揚げていくのだが。
「シェトラスさん達はトングで。私は菜箸で転がしながら揚げていきます」
「どれくらい転がし続ければいいのかな?」
「申し訳ないですがずっとです。カレーパンとは違って全部を均一に揚げないと丸くならないので」
「了解したよ」
とにかく、ここからが本番。
トングだと潰す可能性はあるが、菜箸以前に箸は他の誰も使えないので仕方がない。それに、シェトラスさん達は料理人だ。最初は戸惑ってもきっと大丈夫だと信じて。
ロティのフライヤーに入れれるだけ団子を入れてから、私はコロコロコロコロと、団子を揚げていく。
『む、難しそうでやんすね……』
唯一、レイ君には少し難しいと思って後片付けをお願いしています。
「片側ずつ揚げていくと、均一になりにくいの。だから、こういう揚げ物は面倒見ないとすぐにアンバランスになっちゃうから」
『べ、勉強になるでやんす』
「コロッケとか、カツとかは逆に上下ひっくり返すとかでいいんだけどね?」
レイ君に伝えながらも、コロコロコロコロ転がして。
だいたい五分くらい揚げていけば、綺麗な艶々黒光りな黒ゴマ団子の完成だ。
普通は白が多くてキツネ色になりやすいが、今回は生地の色で判断。網杓子でそっとバットに移したら、次、次と揚げていきます。
全部出来上がったら、厨房は揚がったゴマのいい香りに包まれたのでした。
「「いい匂い〜」」
『でやんす〜』
『でふぅ〜』
「ゴマが油で調理されるとこう言う匂いがするんですよ〜」
香ばしくて、ゴマ特有の少し油っぽい匂いもするが嫌な匂いはしない。だって、ホムラ皇国御用達の特注品だもの。
今日はシュライゼン様もいらっしゃるので、贅沢にいただいた内の半分も使っちゃいました!
「おおお!? なんなんだい!? 嗅いだことのないようないい匂いがするんだぞ!?」
噂をしてたらなんとやら。
カイルキア様や悠花さん達もすぐに来てくださったので、ホムラのお茶はないから紅茶でおやつタイムとなりました!
次回はまた明日〜




