125-1.おまんじゅうを作る前に
お待たせ致しましたー
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カレーでのおかわり合戦が終わった翌日。
あと少しで、孤児院での定例会やシュライゼン様達へのパン教室も近い。次回は、少しぶりにアイリーン様も参加なさると伺ったので楽しみだ。
でも、甘いものいいだろうが、パンなので食事向きにした方がいいか。
などとなどと、考えられているのは。今日は半休をカイルキア様に言い渡されまして。午前中はロティの抽出を慣れさせるのに、色々レシピを引っ張り出してはレシピ本に記していると。
「映えのあるサンドイッチ!!」
『でふ?』
「せっかく色々作れるし、まだギリギリ夏だし。色んな野菜とかお肉で○○スタばりのサンドイッチ、たくさん作ろうよ!」
『おいちしょーでふぅうううううう!?』
ロティとえいえいおー! をしてから、お昼ご飯まで仮眠して。
しっかりと休んで厨房に向かったら、シェトラスさん達にその旨を伝えることにした。
「『「はえるサンドイッチ?」』」
「彩り豊かで、見た目にも楽しいサンドイッチです!」
「となると、パンだけは事前にこちらで準備したのを?」
「そうですね? 意外に挟む作業に時間がかかりますし」
「『「ほう!」』」
「パンの種類も食パンだけじゃなくて、フランスパンを用意しましょう!」
「「いいね!」」
と言うことで、カイルキア様にもお伝えしにいくと、なるほどとおっしゃっていただけたので、シュライゼン様に魔法鳥でお伝えされようとしたら。
そのシュライゼン様が、転移でのご登場となった。
「お? また何か美味しそうなものの予感がするんだぞ!」
「はい! 明後日のパン教室では色んなサンドイッチを企画しています!」
「……サンドイッチ?」
「シュライゼン様、気を抜いてはいけませんよ!」
なので、ここで簡単にサンドイッチのレクチャーをすることに。
①パンに乾燥は厳禁だが、焼き立てを使用するのも厳禁
→水分が多く、ふにゃふにゃになるため
②具材の水気はよく取る。そして、水分が多いものほど内側に
③パンの片側にバターやマヨネーズで覆うのは絶対
→水気を防ぐのと、コクと旨味。並びに食感を保つ
とりあえず、この三点をお伝えすれば、シュライゼン様は目を輝かせた。
「素人が作ると、パサパサべちゃべちゃになるって聞いたことがあるけど! チャロナのパンはどれも美味しいからね! 美味しいサンドイッチが俺にも作れるのなら、貴族間でもサンドイッチが人気になるかもしれないんだぞ!」
「白パンでも、簡易サンドイッチは出来ます!」
「なら、君にご教授願うんだぞ!」
「はい!」
と言うことで、ハイタッチアンドるんるんステップしてたのだが。カイルキア様の前だったので、速攻で謝罪してからシュライゼン様がいらっしゃった用件をお聞きすることに。
「ふっふっふ! ホムラでも皇室御用達の特選クロゴマと言うものを手に入れたんだぞ!」
「……はい?」
「ほう?」
なんで、抹茶に引き続き、そんな高級食材をぽんぽんと寄越してくださるんですか?
シュライゼン様がセルディアスのお貴族様だから? そう言う仕組み?
とりあえず、私になんの躊躇なく渡して、小箱を開けるように促してきた。
小箱と言っても、かなり重い正方形の木箱だった。
慎重に包みの布(これ絶対高級品なやつ)を外して、桐箱のように綺麗な箱の蓋を外せば…………艶々だけど、漆黒の黒胡麻とのご対面となったのだった。
「うわぁ……!」
「え。俺初めて見るんだけど、これ種かい?」
「半分正解ですね? これから油を作ったり、料理に使える食材なんです!」
「なるほど……。これが、おまんじゅうになるのかい?」
「シュライゼン様は召し上がられたことは?」
「あるけど……。ものすっごく甘かったのと、中身が少しザラザラしてたんだぞ」
どうやら、基本的なゴマまんじゅうは食べたことがあるらしい。
けれど、あれはホムラの民でも好き嫌いが分かれるので。ここは、やっぱりゴマ団子を作ろうと意気込んだ。
「もっと美味しい、揚げたゴマ団子と言うものを作ってみます!」
「揚げたもの!? 絶対美味しそうなんだぞ! あ、チャロナ」
「はい?」
「実は、父上から言伝を預かってるんだ。可能であれば、大使となってホムラで正しいまんじゅうの作り方を伝授してやってくれないかと。シュリ城で」
「……………………はい?」
故郷の、あの、中華要素満載のお城で。
おまんじゅうの正しい作り方を伝授?
なんでだ!?
次回はまた明日〜




