124-5.おうちカレーがカツカレー②
お待たせ致しましたー
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レベルアップも、特に何が起こるわけでもなく。一瞬トリップしたような感覚があったくらいで。
ロティのナビレベルもアップ出来たので、試しに新機能? の『抽出』とやらをやってみることに。
「私が意識してるのとかなの?」
『にゅ。ほちーレシピの名前だけでもいいでふ』
「ん〜〜……そうね。じゃ、お好み焼き!」
『でふでふぅううう! 抽出ぅうううう、お好みにゃき〜〜〜〜!!』
私が叫んだ後に、ロティがクルクルと回りながら天井近くまで飛んで行き。上に向けた両手から、鱗粉のような金色の粉を私にかけて、触れた途端に私の額が熱くなってきた。
すると、自分で何も唱えていないのにレシピブックが召喚されて、ページがひとりでにめくられていく。
「わぁああ!」
そして、空のページらしいとこに行くと自然と緑色に発光して。落ち着いたら、そのページにレシピが刻まれた。本を手に取ってよく見れば、たしかに私が前世のお母さんに教わった関西風のお好み焼きのレシピ。
これは、また作りたい欲が湧き上がってきた。
「な、なんなんだい、チャロナくん! 今の技能もだけど。そのレシピ本になんのレシピが刻まれたんだい!?」
「私も気になるね!」
『俺っちもでやんす!』
「あ、すみません」
外野がいるのを忘れるぐらい、考え込んでいた。とりあえず説明しよう。
『お好みにゃきでふ〜』
「『「お好み焼き?」』」
「日本でも、西地方に強く根付いていた郷土料理です。私の場合、前世の母がその地方の出身だったので」
「ほう? とすると、チャロナちゃんの前世でのお母さんの得意料理だったのかな?」
「はい! 粉を使った料理で、材料が取り揃えれば出来るんですが……」
天かすは自作出来ても。紅生姜や山芋までは難しいだろう。ヌーガスさんの故郷にあるかどうか一度確認したいところだが。
皆さんに説明すれば、シェトラスさんがそれとなく聞いてみようと言ってくださった。
「チャロナちゃんの故郷の味だ。私も気になってしまうね?」
「材料が揃ったら、頑張ります!」
記憶にしかないけど、お好み焼きが再現出来ればきっと悠花さんも喜ぶだろう。たこ焼きの方は、さすがにたこ焼き機がないと出来ないし、ベビーカステラのようなお菓子も現存してないから同じく。
とりあえず、今はカレーの続きだ。
あと少しで提供時間になるので、まずはレイ君に悠花さんを呼びに行ってもらってから。彼?彼女?に、カツカレーを食べてもらうことに。
「来たわよん、チーちゃん!」
「出来たよ、悠花さん!」
さあさあ、御礼も兼ねているので一番乗りで食べてもらう。
悠花さんの好きな、ペポロンのポタージュに温玉乗せのシーザーサラダを添えて。
揚げたてのカツ、熱々のカレー。そして、必要ではないかもだけど。中濃ソースのポットも添えて。
ワゴンで運んで行ったら、悠花さんが声を上げてくれた。
「なんて素敵なカレーセットなの!?」
「ふっふっふ。悠花さんと出会った時に持って来てくれたお肉を保存してたから、ちょっとモンスターカレーだけど」
「いいわよん! わざわざリクエスト聞いてくれてサンキューよ!」
「ふふ、さあどうぞ」
『でっふ!』
出来立て熱々カツカレーセットをゆっくり置き、そしてソースポットに気づいた悠花さんは目を光らせてくれた。
「これはあれね? 関西圏で多いカレーの食べ方ね?」
「そうなの。好みによるから、好きな食べ方でどーぞ?」
「いただくわ!」
きちんと手を合わせてから、悠花さんは戦闘に向かうような意気込みでスプーンを手にして。
カツをひと切れ載せた、カレーを口に運んだら。
昇天しそうだったので、慌ててレイ君と両サイドを支えることになってしまったのだ。
次回はまた明日〜




