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123-1.米粉でクッキー①

お待たせ致しましたー






 *・*・*









 また次の定例会まで、迫ってきている今日。


 まだまだパンに挑戦させるのは色々難しいし。けど、出来ればパンに近いことを挑戦させてあげたい。


 だから、米粉のクッキーを思い浮かんだ時。良い策だと思えた。


 粉類だし、手ごねではないけど。材料を混ぜる工程が大変なのは理解してもらえるだろうし。


 だけど、出来るだけ孤児院でも購入しやすい材料でなくては。



「子供達はチョコが大好きと言うことで、チョコ入りのクッキーにします!」


「良い案だ! 旦那様もチョコはお好きだしね!」


「そ、そう言うわけでは」


「おや、やぶ蛇だったかな?」


「エイマーさぁん、シェトラスさぁん!」



 と、とりあえず作っていく!


 材料は、





 無塩バター (室温で柔らかくしておく)


 砂糖


 卵


 米粉


 ベーキングパウダー


 好みでナッツ


 チョコレート




 あと、好みでバニラオイルを入れても良いのだが、子供達が作るのにはハードルが高いので今回は省略。


 それと、今回は孤児院での教室の予行演習も兼ねているので、銀製器具(シルバーアイテム)は極力使わない。


 と言うか、道具が便利過ぎて頼りがちだから良い機会だと思う。


 ロティの天火機(オーブン)も使わない方向で行くので、専用の窯の使い方をシェトラスさんに教わる予定だ。


 でないと、大きく書き出すポスターサイズのレシピに書き込めないからね? あと、子供達に渡す通常サイズのレシピにも。



「まず初めに。柔らかくなったバターを泡立て器で白っぽくなるまで、しっかり混ぜてください」


「ふむ、基本だね?」


「卵はあとで加えますが、先に割りほぐしてください」


「私がやろう!」



 とにかく、お屋敷のおやつに作るので、生地はたくさんたくさん必要だ。


 レイ君も加わり、ロティも魔法で泡立て器を使って混ぜていき。


 出来上がったら、次に砂糖を加えてよく混ぜていく。



「砂糖が粗方混ざったら、ほんの少しずつ卵液を入れながら混ぜていきます」


『なんでやんす?』


「いっぺんに入れちゃうと、混ざりにくいし綺麗な生地にはならないのよ。分離しちゃうし、美味しいクッキーにはならないの」


『ほう!』


「よく見てて?」



 大さじ一杯くらいの卵液を加えたら、泡立て器で混ぜて。分離しないようにしっかり混ぜたらまた加えて。


 を、一個のボウルの計量通りの卵液を繰り返し混ぜ合わせて行ったら。


 結構気を遣うので、レイ君はバテそうになっていた。



『こ、これ……子供達大丈夫でやんすか?』


「一番難しいのはここだし、苦労も覚えなくちゃ」


『……そうでやんすか』



 あとは、振るっておいた粉類を木ベラでまとまるくらいに混ぜ合わせ。その後に、砕いたナッツとチョコを加えて全体に混ぜ合わせていく。


 そして、ここからが本番。


 ロティの変換(チェンジ)した調理器具しか扱っていないので、実際に大型の調理窯を扱ったことがない。


 ホムラの孤児院もよりもずっと立派だし、動力源の魔石もきっと高値で取引されているものだろう。


 クラッシャーではないけど、絶対壊れないようにしなくちゃ!



「ふふ。そう気を張らなくてもいいよ? つまみを調整してしまえば、あとは火がつくだけだし」


「そうは言いましても、シェトラスさん」


「とりあえず、火の調整は。『極弱火』『中弱火』『弱火』の三種類のように、中火と強火も似た感じかな?」


「……結構細かく別れているんですね?」


「けどね。チャロナちゃんとロティちゃんのようにした方がいいかもしれないね? 確実にその方が美味しく出来てるし」


「シェトラスさん達のお料理も美味しいですよ!」


「はは、ありがとう」



 本当のことだ。


 パンの手ごねや成形もだいぶ様変わりしたし、無茶な力を使うこともなくなった。


 まだひと月程度なのに、この進歩は大きい。


 はやく、他の職人さん達にも教えたいんだけど。


 こんな成人したての小娘の言うことを聞いてもらえるか。正直、怖いところもある。


 とにかく、今は孤児院の子供達のために頑張らなくちゃ。



「ロティ? 火加減を比較することって出来る?」


『にゅ! しょの窯だと。極中火で様子を見た方がいいでふ!』


「おk」



 なので、点火のつまみと火加減のつまみをきちんと教わった通りに動かして。


 予熱は数分で終わるらしいから、天板にクッキングシートを敷いて生地を小分けしなくては!

次回はまた明日〜

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