116-3.コッペパンでお茶会
お待たせ致しましたー
*・*・*
「チ〜ぃ〜ちゃぁああああああん!!」
お茶会となって、テーブルを準備していたらマックスさんがやってきて。ダイビングなハグを披露させられてしまった。
「わ、悠花さん!?」
「今日はな〜に?」
「えっと」
「……マックス殿?」
「「ひっ!?」」
地を這うようなひっくい声がしたと思って、二人でそっちを見たら……物凄い形相になってたエリザベート様が仁王立ちしていたのだった。
「……貴方が、チャロナさんとは普通以上の友人であることは伺っておりますが。いきなり、女性の懐に抱きつきに行く男性がいますか? ましてや、貴方はユーシェンシー伯の子息として、先日エイマーと婚約したはずでは? 友人とは言え、やり過ぎですよ?」
と、何故か私まで一緒にお叱りを受けること、十数分。
いつのまにか、正座をさせられてしまった私達の前に、カイルキア様とレクター先生が!
「何を……?」
「え、マックスはわかるけど。チャロナちゃんまで?」
「ちょっと、レクター。カイルキア。マックス殿はいつもこうなの?」
「「こう……とは??」」
「友人とは言え、チャロナさんに抱きつきに行くことよ」
「「……ああ」」
「ああ、じゃ、ありません!」
雷が落ちた、とはまずこのことを言うのかもしれない。
とりあえず、メンバーが揃ったのでお茶会の準備を悠花さんも手伝うことで、お許しはいただけたけど。
「ま! 今日はコッペパンサンドに揚げパン尽くしじゃなあい!?」
「マックス、その言葉遣いはやめろ」
「へいへい」
「お行儀が悪いわよ、二人とも?」
「「…………はい」」
いつもこうなのかなって思うが、とりあえずわからないカイルキア様とレクター先生には説明が必要なので、私は席を立った。
「以前にも何度か作った、少し細長いパンをコッペパンと言います。これを半分に切り込みを入れて、クリームだったり、ソースを塗って挟んであるのがコッペパンサンドと言います。砂糖などがまぶしてあるのは、それの表面を揚げた揚げパンと言います」
「ふむ。紙を巻いてあるのは手が汚れるのを防ぐためか?」
「はい。私と悠花さんのいた世界でも、紙は基本的に使います」
「……なるほど」
「結構ボリューミーなので、コッペパンサンドと揚げパンは半分に切ってあります」
「では、いただこう」
いただきます、をしてからだいたいの人は先にコッペパンサンドに手を差し伸べた。
「チーちゃぁん! カレーとポテトサラダだなんて、専門店みたいだぜ!」
「えへへ、最近カレーブームだし。いいかなあって」
他に卵サラダもあるよ、と教えれば。
悠花さんは、まるで子供のようにほっぺを真っ赤にさせてからそれを勢いよく頬張った。
「相変わらず、お前のパンは美味い」
「ありがとうございます」
カイルキア様も、表情は相変わらずわかりにくいけど。唯一、目の輝きだけが違う。
悠花さんのように、まるで子供に戻ったかのような輝き。よっぽど、気に入ったようだ。今は牛乳クリームパンを食べているのか、口の端にクリームがついていた。
それを指摘すると、布のナフキンで丁寧に拭う。やっぱり、お貴族様だからか、様になるなあ。
『美味ちーでふ! 美味ちーでふ!』
対象的なくらい、ロティは口の周りがべったり。美味しそうに食べてくれるから嬉しいけど、そろそろ行儀作法も覚えなくっちゃ。
今日は私が布のナフキンで綺麗に拭ってあげたが、行儀作法でひとつ思い出した。メイミーさんからのお願いだけど、何故かエイマーさんの行儀作法の講義に私も参戦しなくてはいけないことに。
『この前の式典のこともあったし、いつ如何なる時にも。備あれば、とも言うでしょう? 大丈夫、チャロナさんにはこの前の延長線と思えばいいから』
などと、強く言われてしまい、受け入れるしか出来ませんでした。まる。
「チャロナ?」
ちょっとため息を吐いたら、カイルキア様に心配そうに声をかけられた。
「疲れたのか?」
「あ、いえ! そう言うわけでは!」
「無理をするな。今日もたくさん指南をしたのだろう? 時期もちょうどいい。明日は休みを取れ」
「……はい」
「あら、カイル。その口ぶりだと、以前は休みを与えていなかったのかしら?」
「「「「あ!!」」」」
そして、第二戦というか。
私は除外されたが、カイルキア様、悠花さん、レクター先生。なぜか、シェトラスさんまで正座させられて。エリザベート様のお説教を受けてしまうことに。
その間に、私は待ってても腹は膨れぬからとエイマーさんに言われて、自分の分の揚げパンとコッペパンサンドを食べるのだった。
【PTを付与します。
『懐かし揚げパン(フレーバー各種)』
『懐かしコッペパンサンド(具材各種)』
・製造各40人前=各40000PT
・食事ひと口=200PT
→合計80200PT獲得
レシピ集にデータ化されました!
次のレベルまであと3308080PT
】
次回はまた明日〜




