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116-1.揚げたてコッペパン①

お待たせ致しましたー






 *・*・*









 パンの試食会で、エリザベート様には喜んでいただけて良かった。同じ食関連の異能(ギフト)持ちとは言え、エリザベート様も凄いもの。


 エディフィア様に教えられたと言うあの、美味しすぎるタルトケーキは前世で食べたのと比べても、どのケーキよりも美味しかった。それを教えられるだけでも凄いし!



「さて、次は揚げパンです。ロティ?」


『でっふぅうう! 変換(チェンジ)! 『揚げ物フライヤー!』



 事前に魔力を分けてからフライヤーになってもらい。焼き上げてから、冷却(コールド)で十分冷ましたコッペパンを迷わずにフライヤーに入れていく。



「まあ。せっかく焼いたパンを揚げてしまうのかしら?」


「はい、エリザ様。そう言うパンもあるんです」



 前世の日本給食でも定番だったし、専門店がわざわざあるくらい人気の商品。それが、揚げパン。


 揚げるパンは、カレーパンや餡ドーナツもあるけど、揚げパンと言えばコッペパンを揚げたもの。それに砂糖だけでなく、シナモンシュガーやココアシュガーをかけたりと様々。


 なので、出来るフレーバーは二種、既にスタンバイ済みです。



「内側まで揚げるのではなく、表面をカリッとするまで揚げます。時々、トングでひっくり返すのですが、コッペパンは転がりやすいので……持ったまま耐える時もあります」


「まあ、そうなの?」


「平らなパンだとそうはならないのですが、半円状だと水の上とかでも同じ状態になりますね? 試しに離してみます」



 すると、それまでてっぺんが油に接していたのにくるんとひっくり返ってしまった。これが、トングで支えていなければいけない訳である。



「ほう! たしかに、これだと支えていなければいつまで経っても揚げられないんだぞ」


「コロッケの場合は、上下を返せばいいだけですしね?」


「とりあえず、しっかり揚がったら!」



 最初はグラニュー糖をたっぷりまぶして、切り分けたら紙に包んで全員に手渡す。口はともかく、手は汚れにくいからと思い。


 せっかくなので、揚げたてをいただこうといただきますをしてから。




 ザク、ザク!




「「『「「「!?」」」』」」


『美味ちいでふぅううう!!』


「カレーパンとも、ドーナツとも違うんだぞ!」


「「これは、美味ですなあ!」」


『でやんす!』


「美味しいよ、チャロナくん!」


「素晴らしい出来だわ……」


「ありがとうございます!」



 表面はグラニュー糖の甘さに加えて、油でカリカリに揚がった部分の食感がなんとも言えない。








【PTを付与します。



『揚げたて定番の揚げパン(グラニュー糖)』



 ・製造1人前=350PT

 ・食事ひと口=15PT



 →合計365PT獲得



 レシピ集にデータ化されました!




 次のレベルまであと2456375PT



 】






 おや、今日は試食の段階で追加された?


 基準はよくわからないけど、最初の頃のように追加されるのは少し珍しかった。


 とは言え、このお屋敷に来てまだたったのひと月だけど。



(あのパーティーに居たのが、随分昔に感じるわ……)



 それだけ今が、充実出来ているからだろう。拾っていただいたカイルキア様には感謝してもし切れないわ。



「チャロナさん、わたくしも挑戦してみてもいいかしら?」


「はい! 大丈夫です!」


「こちらのフライヤーでも揚げていこう。全体がカリッとすればいいのかな?」


「はい! シェトラスさん!」


「おっれもー!」



 それから手分けしてコッペパンを揚げていったが、試食したココアもシナモンも美味しく出来上がってくれて。


 きっと、お屋敷の皆さんに喜んでいただけるおやつが出来たのだった。

次回はまた明日〜

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