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114-1.フランスパン始動

お待たせ致しましたー






 *・*・*









 本日は第二回パン教室であるけれど、朝早くから働いたり準備をしてたら意外と時間が余ったので。


 いよいよ、作りたいと思っていた『フランスパン生地』に挑戦しようと思います。


 ただ、



『でっふぅ! フランス(ふりゃんしゅ)パンでふぅううう!』


「え、いや……その、ロティくんにチャロナくん?」


「はい?」


『あい?』


「これは……その、パンの生地なのか?」


『ひぇ!』


「私も初めて見るね?」



 浄化(クリーン)で綺麗にした、手に入れたばかりの番重に出来上がったフランスパン生地を入れている作業中に。エイマーさん達に質問されてしまったのだが、顔色がすこぶる悪かったのだった。



「え……っと、これくらい柔らかい生地で作るパンなんですけど」


「しかし。食パンよりもさらにドロドロしてないかい? 打ち粉は……君だとあまり必要がない感じだが」


『それが……パンに?』


「前世で慣れちゃっていますしね?」


「チャロナちゃん、これはどういうパンなんだい?」


「総称で言いますと、前にもお話ししたフランスパンと言う部類です」


「『「フランスパン??」』」



 説明しましょう!


 小麦粉・塩・水・イーストのみで作られるフランスのパリ発祥のパンの総称を、日本ではフランスパンと呼んでいます。バゲットやバタールがよく知られているけれど、基本的に普通の砂糖を使わない硬いパンなので焼くと折れにくいパンとなってしまう。


 基本的に卵や乳製品も使わないから、技術は作り手にかかっていると言っても過言ではない。


 しかし、焼いたあとの加工も楽しいから私は大好きなパンのひとつでもあった。



「甘味を加えないパン……しかし、そうすると塩っぱいパンになるのかな?」


「職人によっては、麦から作った甘味料を加えたりもしますが。私は今回、それを使わない方法にしました。けど、小麦の味とかで、ほんの少し甘いんですよ?」


「「ほう?」」


『硬いパンって食いにくくないでやんすか?』


「ふふ。出来上がりをすぐに食べさせてあげるから、楽しみにしてて?」


『ほいなー』



 タイマーを使って、出来るだけゆるませてから織り込んで、またゆるませてを繰り返して。


 いい具合に発酵して膨らんできたら、いよいよ分割だ。


 今日のパン教室は午後からなので、まだ少し時間に余裕がある。


 シュライゼン様にカイザークさん。まだお会いしていないエリザベート様にも是非とも召し上がっていただきたい。


 なので、今回はバケットに挑戦します!



「では、レイ君。分割してみて?」


『うぇー? 俺っちが?』


「何事も〜?」


『経験っすよね! やるでやんす!』



 と、今回はスケッパーではなく。ゴム製のカードとかスクレイバーとか呼ばれているペラッペラの板を渡した。金属製のスケッパーでも悪くはないが、生地がくっつきやすいので、出来ればゴム製がベスト。


 とは言っても、『幸福の錬金術(ハッピークッキング)』を所持してる私の、さらに特典アイテムである銀製器具(シルバーアイテム)がなければ難しいことだけど。


 でも、冷蔵庫のコーティングとかにはプラスチックが使われているし、いずれは作れるかもしれない。


 考えが脱線しがちだったので、レイ君に分割の方法を教えることにした。



「普通の生地と同じで、あんまり細かく切っちゃわないのがコツかな? 丸めにくいし、焼き上がりが難しくなっちゃうから」


『う、ううう……』


「あ、あと。打ち粉は手にたっぷりつけていいよ? 丸めは私がやるからフォロー出来るし」


『そ、そうするでやんす』



 そして、本番に移ると、レイ君は感触にびっくりしたのか『うぎゃ!』と声を上げた。



「うふふ〜スライムみたいでしょ?」


『な、なんでやんすか! ぐにゃぐにゃしてて、どう見てもチャロナはんの美味いパンになると思えないでやんす!』


「あ、あとこの生地は時間勝負だから。とにかく、さっき言ったグラム数に切って切って!」


『あ、あう……』



 そして、なんとか分割された生地に軽く打ち粉をつけて、少し長細い形になるように織り込む。


 これを、ようやく活躍出来るキャンパス布に打ち粉をまぶした上に載せて。一列出来たら、布で敷居を作って次へ……と繰り返したら、ちょうどいい感じに生地も余らずに出来上がった。



「お疲れ様!」


『うぇ……なんで、チャロナはんの方が生地触ってるのに全然指に引っ付いてないでやんすか?』


「やっぱり、慣れ?」


『しゃしゅが、ご主人様でふぅうううう!』


「ありがと。さーて、次の成形までに一回手を洗お?」


『…………そうでやんすね?』



 とりあえず、生地には夏でも埃が舞うので、同じキャンパス布を上にかぶせておいたのだった。

次回はまた明日〜

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