表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

432/825

111-2.陰謀、なのか?(マックス《悠花》視点)

お待たせ致しましたー






 *・*・*(マックス《悠花(ゆうか)》視点)









 んもぉ、カイルの気持ちは分からなくないけど〜?


 チーちゃんの目が覚めた途端に抱きつきに行くのはまずいわよ〜?


 けど、ロティちゃんに注意されてからやっと離れたかと思えば!


 超が十個付くくらい、赤面状態よ!!


 おかしいのなんのって!



「ぎゃははははは!?」


『……マスター』


「マックス、下品な笑い方はよしてよ。気持ちは分からなくもないけどさ?」


「ふひひ、ひひひ!!」



 腹筋崩壊中のあたしには、何言っても無駄よーん!


 とにかく、一通り笑い転げてから、まだ赤面のカイルをぽけっと見つめているチーちゃんのとこに行くことにした。



「チーちゃん、今回はどんなだったの?」


「ほへ?」



 見惚れてたのか、明後日の方向に向いたような返事をするのが少しおかしかった。けど、好きな相手の意外な一面を見れば誰だってこうなるわよねぇ?



「ほへ、っじゃなくて。今回は何を見せられたのよん?」


「……ぼ、えてない」


「へ?」


「覚えて……ないの」


「は?」



 何にも覚えてないですって?


 あれだけ長い時間トランス状態にさせられたのに、何も覚えていないですってぇ!?



「え、チャロナちゃん。何も?」


「は……はい。多分、前回起きた時のも……あんまり覚えてないんです」


「「んんん??」」


『ロティも、今回のもリンク出来てにゃいでふぅん……』



 ぴょこん、とチーちゃんの肩につかまったのは大きさこそ変わっていないが幼稚園児手前まで姿が成長したロティちゃんだった。


 これまた、素晴らしいくらい可愛くなっているわねぇ?


 レイは? と振り返れば、床に張り付いてピクピクしてるわ。また惚れ直したわけね?



「……そう言えば。僕も前の時に聞いた内容……覚えてないや」


『俺っちもでやんす……』


「言われてみれば、あたしもね〜?」



 十中八九、フィルド達の仕業ね?


 てか、ここまで勘付かれているのに口に出せないのが歯痒いわ……!


 陛下のことについて何も話せないようにもさせられているし、ほんと、何がしたいのよあの最高神!?



「……俺も、覚えていないな」



 とか叫びたくなってたら、やっと赤面から落ち着いたカイルも同じことを言い出した。



「だよね? え、あれ? 前回って……たしかイチゴダイフクの時だったよね?」


「はい、それは覚えているんですけど」


「俺も覚えているが。チャロナ、と言うよりはロティのレベルが上がった時の内容を聞いたはずが、覚えていない……」


『でっふぅ』


『やんすー』



 全員が全員覚えてないですって?


 ほんと、今回もだけど都合が悪いとこだけ消去って言うのが陰湿くさいわ!


 けど、あんまり考え過ぎたらあいつの思うツボね?


 とりあえず、話題を変えなくちゃ。



「けど、ロティちゃんの姿がまたレベルアップしたじゃなぁい? か〜わ〜い〜い〜!」



 レイには出来ないから、あたしが代わりに抱っこしちゃう〜〜!



『でふぅ?』


「おい、マックス。いくらチャロナの契約精霊とは言え、エイマーがいるのに何をしているのだ?」


「いいだろ? 可愛い子は愛でる対象じゃねーか? お前だって、さっきチーちゃんに心配してたからって抱きついただろ?」


「な!?」



 あ、また思い出して赤面状態になっちゃったわね〜?


 面白いからいいけど!



「け、けど。また大きくなったね? 頭とかにはもう乗れないかも」


『でふ? ちっちゃくなれるでふよ?』



 すると、ポンって音が鳴ったかと思えば腕の中のロティちゃんが初期段階の赤ちゃんサイズになってしまってた。


 AI精霊だけど、この機能いるかしら?


 まあ、可愛いからいいっちゃいいけど?


 離してあげるとチーちゃんの腕にダイブしに行ってしまった。



「あ、ちょっと懐かしい」


「ふふ。なんだかんだ言っても。僕らもだけどロティちゃんが出てきてまだひと月ちょっとだしね?」


『ロティ〜〜、その姿も愛らしいでやんす〜〜』



 とりあえず、一匹色ボケしてる奴がいるからつまみ出して扉の外に放り出した。とは言っても、人間じゃないからすぐに壁のすり抜けをしてきて戻ってきちゃったけどー?



『な、何するでやんすか!?』


「あんたの色ボケがロティちゃんの目の毒だから追い出したまでよ!」


『ひ、ひどいでやんす!』


「デレデレしてないで、シャキッとしなさい!」


『じゃあ、マスターは姐さんが綺麗に着飾ってたら、どう思うでやんすか!?』


「……囲うわね」


「マジトーン怖いよ、悠花(ゆうか)さん!?」


「あら、冗談よ冗談〜」


「「「冗談に聞こえなかった!」」」


「あら、綺麗なハモりー?」



 まあ、たしかに愛しのエイマーがパーティー以外で着飾ることはそう多くないけども。


 綺麗綺麗になったら、それはもう今のイケメンスキルでおとすわよ!!



(……にしても。この調子じゃ、毎回記憶をいじられるかもしれないってことね?)



【枯渇の悪食】の真相とかにたどりつけると思ったのに、この事態はいったい……?


 それに、毎回チーちゃんとロティちゃんがトランスする様をただ側で見ておけと?



「まあ。とりあえず、身体面で異常はなかったからよかったよ。明日は、フィルドさん達がいらっしゃるでしょ? 今日は早めに休んだ方がいいよ?」


「は、はい」


「……マックスはこちらに来い。少し報告がある」


「へーへー」



 そう言えば、明日はフィルド達が来る日ね?


 油断は出来ないけど、カイルに執務室で呼ばれた理由の方が衝撃が大きくて一瞬考えが吹っ飛んだわ!?



「……は? 強固派の連中の一部が……幼児化?」


「つい先程。シュラ伝に記憶水晶が届いてきた。見た通りだ」



 その記憶水晶。日本なら記録カメラ媒体のような役割をしてる高価な魔法具だが。写し出されたシュラの口から、強固派として過剰に活動しかけてた貴族連中が、何人か幼児化させられたらしい。


 これについては、神からの神託があり、シュラ達も幼児化になった貴族を見せしめにして強固派の活動を鎮圧化することになったらしい。


 まさか、これとチーちゃんに関係があるんじゃ? と思ったら。



「姫を友好国の王妃に仕立て上げるとの計画もあったそうだ。無論……シュラや陛下は猛反対されたらしいが」


「お前もだろ?」


「…………」



 あーあ、あーあ。


 一番憤っているこいつなのに、今は健気になっているわねぇ?


 とりあえず、明日来るらしいフィルド達に直接は聞けないが。


 何事もあってほしくないと思わずにはいられなかった。

次回は日曜日〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

こちらの作品も出来たら読んでみてください。
下のタイトルから飛ぶことが出来ます。



名古屋錦町のあやかし料亭~元あの世の獄卒猫の○○ごはん~


転生したら聖獣と合体〜乙女ゲーム攻略のマッチングを手助け〜
ツギクルバナー
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ