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ベリーベリーベリー  作者: ルケア


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服の採寸

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 その後に船着き場の確認をして、秋の60日に次の村へと商人は向かっていった。勿論だが、塩や布なんかは確保してある。それを住民に配るのとついでに、銀貨3枚を全村人に支払った。子供にも銀貨3枚だ。それが社会主義的な政治体制だからな。家族で幾らとはしない。それだと平等じゃなくなるからな。管理は任せる。というか、子供も働いてもらっているんだから、貰う権利はあるんだよ。一応だが、赤ん坊にも支払っているぞ。……本当に必要なのかは置いておくが。全員に支払ったという実績が必要なのだよ。だから、移民にも配っている。初めは動揺してしまうだろうとは思う。けど、気が付いて欲しい。この村では、お金は使う時が無いんだ。子供が巣立つその時まで、貯めておけって事なんだよ。


 そんな訳で秋の66日。今日はカタリーナと一緒に村人の所へ。昨日はコンラートだったので、俺の番なんだ。……何って、服の採寸である。しかも俺もコンラートも成長期。当然だが、身長も伸びる。それを見越して服を仕立てるのだ。そんな訳で、服の仕立てが得意な住民の元へと向かっていた。


「いらっしゃいませ。ようこそいらっしゃいました」


「今日もお邪魔するわね。今度はこの子の採寸なのよ。アーミン、こっちに来て。さあ、服を脱いで」


「はい……。お願いします」


 服の上から採寸すれば良くないのか? なんでか知らないが、脱がされるんだよな。これが毎年である。服の上から採寸したって誤差の範囲内だとは思うんだがなあ。駄目なんだと。まあ、いつもの事なんだけど。前までは屋敷に呼び寄せていた。けど、住民の方に行く方が面倒が少ないと言う事で、こういう形式になっている。


 テキパキと採寸をしていくんだけど、なんだかなあ。魔族の人にも慣れているつもりなんだけど、腕が多いとちょっとね。アラクネなんだよ。だからなのかは知らないが、腕が多いんだ。それで色々と計っていくから、緊張するんだよな。


「アーミン様は6歳だとか。それだと、1年で10㎝以上大きくなることもありますわね?」


「そうなのかしら? でもそうかもしれないわ。今までとは食事も違うもの。良いものを食べていたら大きくなるのも早いかもしれないわね」


「そうでしょうそうでしょう。ですので、かなり大きめに作った方がいいかもしれませんね。ですから、こういう感じで。ここをこうして、こうやって見栄えをよくするのはどうかしら?」


「あら良いわね! それならこっちはこうしない? これの方が可愛いわ!」


「そうですねそうですね。でしたら、こっちの布なんかを使って、このようにすれば、どうですか? いいと思いませんか?」


「とても良いわ! まずはそれで1着ね。次はどうしようかしら? これとは別系統の服を作りたいわ。だから、こっちの色を使ってみるのはどうかしら?」


「そうですね。それなら、ここをこうして、こっちをこう。それでこれを合わせてしまえばどうでしょうか?」


「うーん。こっちの方が良くないかしら? こっちの方が可愛いわ」


「そうですか? そうなりますと、ここをこうして、こんな感じでしょうか?」


「そうねえ……。それだとこっちの色が浮くわね。こっちにしない?」


「おや? この生地ですか? でしたらこっちと合わせた方が良くないですかね?」


「あ、それも良いわね。でもここが寂しいわね。布は沢山あるんだから、こうするのはどうかしら? これなら見栄えも良くなるわ」


「確かに。今年は沢山布がありますからね。でしたら、ここはこうでは無くて、こうした方がいいのではないですか?」


「良いわね! これなら可愛いわ! これで2着目ね」


「あのー、カタリーナ姉さん? 俺はかっこいい方がいいんですが……」


「駄目よ。可愛い方が良いもの。かっこいい服装はもうちょっと大きくなってからで良いわ」


「そうですか……」


 去年と違って、布が沢山あるのである。去年はどの色で、どうやって作るとかの指定は無かった。そんな余裕は無かったのだ。だが、今年は違う。余裕がある。布は結構がっつりと買い取ったのだ。なので、装飾も出来る程度には布がある。……可愛い装飾は要らないんだけど、今さっき却下されたので、どうしようもない。こういうのは、男には選択肢が無いのだ。


 例えば、どちらが良いのかと聞かれた場合、既に女性の方ではどちらがいいのかは決まっている。それを当てるのが男の仕事だ。どちらが良いのかと聞かれて、外すのはまだいい。どちらでもいいという回答は最悪だ。論外だ。少しは考えろと言われてしまう。ただし、考えたところで選択肢は無いのだが。結局はどちらがいいのかは決まっているのである。


 当てて貰い、認識が一緒だと共有し、話に花が咲くまでがセットなのだ。それを聞き流したり、無関心でいると、後で酷い目に遭うのである。何たる理不尽。でも、こういうのは女性に優先権というか、そういったものがあるので、男は黙って選択肢を外さない様に苦慮しなければならない。


 なお、去年までは3着で良かったのに対して、今回は最低でも10着は用意するらしい。1年で着なくなるんだから、そんなに要らないんだけどという言い訳は通じない。そして、10着とも着ないといけないって感じになるんだよな。あの服はどうしたんだって言われて、まだ着てないっていうと、怒られるのである。気に入ったものを着まわすのは駄目なんだ。満遍なく着ないと。


 そういうものである。こちらの好みは考慮されない。……コンラートもこんな感じだったのかねえ。気が遠くなるような話ではあるんだけど、聞き流していたら、酷い目に遭うので、しっかりと聞いていないといけない。女性に服を選ばせると言う事は、そう言う事である。


「ねえ、アーミン。これとこれ、どっちがいいかしら?」


「うーん。そうですね。これとこれなら……、こっちかな?」


「そうよね! ならこっちにしましょう。これに合わせるならどれがいいかしら?」


「これならこれに合わせましょう。この方が映えますわ」


「あら! 良いわね。でもそれだとこっちも捨てがたいわ」


「でしたら、これも使いましょう。ここにワンポイント作りませんか?」


「それは良いわね! アーミンもそれで良い?」


「はい。いいと思います」


「やっぱりね。それじゃあこれで5着目ね。次は、これなんてどうかしら?」


 とまあ、こんな感じで、適当に話題を振られて、選択肢が決まってる方を選ぶという作業があるのである。外してもいいんだ。でも、結局は向こうの好みにあうようにされるだけで。決定権は無いのである。


 なお、これで終わりだと思うなよ。服が決まったらズボンも決めるんだ。上に合わせてどれが良いのかを決めるのである。


 だからコンラートと分けたのだ。日にちが同じだと、夜までかかるからな。一緒の日でいいじゃないかと思うかもしれない。それは大きな間違いなんだよ。そんな事をしたら決まらないだろう? じゃあまた明日って事になって、明日になれば好みが変わる。そして、1から繰り返すのだ。それが解っているから、1人1日って決めてあるんだよ。


 こういう時は、男とは、女性側に付き添わなければならない。俺に選択肢はない。だけど、着せ替え人形のように、ずっと話を聞かなければならないのだ。聞いてなかったといってしまえば、何がどうなのかをまた説明させる羽目になり、組み合わせがどうのこうのと言い始めるのである。そうだ。忍耐力が求められるのだ。それを耐えなければならない。まあ、今年は去年より選び放題だからな。酷くはなっているんだろう。

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