戦略を教え込む
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「……駄目です。詰みました」
「はい。そうですね。それでは感想戦といきましょうか。まずは、今回の想定から話をしましょう。今回の想定では、確実にデイローレル侯爵家を落とせる戦力を用意してきた敵を、どうやって退けるのかというのが主眼となっていました。ですので、単純に力攻めを用いて、対応の仕方をどうするのか、というのを考えてみた方が良いというのが今回のポイントです。ですので、負けることは前提で何とかならないのかを考える作業でした。感想はいかがですか?」
「……思ったよりも、領都が弱いと言う事に気が付きました。もしも決戦をするのであれば、ここだと思いましたね。領都で決戦をするのは、不味い。それだけ戦力の展開を許してしまう事になる。……だが、そもそもの想定が、こちらを落とせるだけの戦力を集めたと言いましたよね? と言う事は、そもそも無理な話なのではないですか?」
「攻め手側が圧倒的に有利なのには変わりありませんが、ここで止めると、一気にとまでは言いませんが、ある程度の逆転は可能なのかなとは思っておりますね。ここであれば、相手の展開の制限が出来ます。なので、ここで決戦をすれば、削り切ることは可能だとは思います。……なので、防衛拠点を整えるのであれば、この場所が一番良いとは思うんですよね。今以上に堅牢になれば、デイローレル侯爵家は落ちないと言う事になりますから」
「なるほど……。それは確かに」
「ですが、デイローレル侯爵家の領地は増えました。その地図がこれになる訳ですね。最終決戦の場所はそこでもいいのかもしれないですが、今度はここから攻められた時に、どうやって対処するのが正解なのか。まずは考察です。この戦場を見て、何か思う所があれば、声に出して検討してください」
「旧サクリダ侯爵家の土地だな。基本的に、何処も攻めやすそうではあるな。ここなんかは平地だ。完全に包囲されたらひとたまりも無いぞ?」
「そこは論外だろう。防衛拠点としても難しい。要塞化しても無理だろうな。回り道が多すぎる。それであれば、ここの方がマシだろうな」
「逆侵攻をして、止めるのはどうだ?」
「……駄目だ。サクリダ侯爵家との境界は、攻めにくい。ここを返還の時に返してしまったのが致命的だな……。ここならば、守りやすかったはずなのに……」
「嘆いても仕方がない。だが、ものは考えようだぞ? 侵攻場所が1つしか無いのであれば、こちらもそこを押さえてしまえば、攻められることはない。……まあ、こちらから攻めても難しいと言う事でもあるし、先制攻撃をされてしまえば、意味のない考察にはなってしまうが。であれば、ここまで引くのはどうだ? ある程度の犠牲はやむを得ないだろう。ここまで引いて、ここから逆侵攻で落としていけば、何とかなるのではないか?」
「それしか方法は無いか。向こうの戦力はどのくらいあったか?」
「確か、兵が15000程度だったとは思います。この戦争で減っていなければ、と言う事にはなりますが……。減っていた場合を想定しても無駄でしょうね。増えたとして2万ならどうするのか。それを考えた方が良いとは思う」
「2万か。全軍ここからは無理だろう。ここに来たとしても5000が関の山じゃないか?」
「そう、だな。こっちからの方が攻めやすいだろうし、ここは5000程度だろう」
「だろうな。じゃあ、ここで防衛なら2000も居れば何とかなるか。それなら、ここはどうする? ここの場合は、これ以上引いても無駄だぞ。ここで食い止める必要がある」
「ここなら、こっちからの援軍を待つしかないだろう。ここには3000を配備しておく方が良いとは思う。そして、ここに3000だ。どちらを狙うのかが解らないんだから、両方に兵力を割かねばならない」
「じゃあ、俺ならこことここに5000ずつで攻めますね。その場合は、どうしますか?」
「……一気に援軍が送れなくなったな。だが、5000で落とせるのかという問題もある」
「いや、ここはこの地形だぞ? 5000もあれば、こっちは落ちる。ここの防衛力では、同数ないと厳しいな。となると、後方になるが、ここに3000置いておくのはどうだ?」
「……有りだな。その方針で考えてみよう。それなら、ここにも2000は欲しい」
そんな感じで、兵力を数にして、戦略を教え込んでいる。今までは、デイローレル侯爵家の土地で、何とか防衛戦をするならどうするのかというのをやっていたんだけど、新しい地図が出来上がって来たからな。それで模擬戦という事をしている。盤面を見て、有利になるのか、不利になるのか。地形を読みつつ、部隊をどうやって配置すれば良いのか。そもそも兵士の数は足りるのか。それらを考察しながら、どんどんと意見を出し合っていく。
王都から帰る際に、俺だけはデイローレル侯爵家に置いて行かれたんだ。それで、戦略というものを1から教え込んでいる。盤面で兵士を動かして、どうやって進めばいいのかとか、どうやって守れば良いのかとかを教え込んでいるんだ。まだ、全図ではやっていない。まずは侯爵家の土地だけだ。広すぎると難易度が一気に上がるし、方面が多くなりすぎて、管理が出来ないとは思うからな。まあ、最終的には、全国地図で、兵力をどうやって動かせば良いのかを研究する事になるとは思う。向こう側が単純な攻めしかして来ないのであれば、簡単に潰せるんだが、そうじゃない場合を想定して、色々と考えておかないといけない事を教え込む。特に、防衛に関しては、厳しく教え込むつもりだ。守らなければならない土地が多くなった場合、どうやって動くのが最善なのか。そもそも子爵軍相手なのか、伯爵軍が相手なのかを見極めないといけない。
戦力を見誤れば負ける。それを体感してもらうんだ。勝つことばかりを教えるんじゃない。負けない事を教え込むんだ。負けなければ、後から何とでもなるんだよ。だから、一生懸命に負けない事を重視している。何処で守れば負けないのか。どうやって攻めれば守りやすいのか。それを考えるんだ。こちらが先制で攻撃できる場合、こちらが受け身になる場合、色々と考えられるんだよ。単純な兵力だけの勝負には、なるべくさせないようにしている。そうしないと成長が無いからな。戦力差はあって当然。隠れた戦力があって当然という風に展開していくのだ。
「それじゃあ、大体解って来たところで、模擬戦をやりますよ。3班に分かれてください。昨日とは同じ人にはならないでくださいね。それじゃあ、部屋を移って、攻撃側と防御側を決めますよ。1班は審判役、2班は攻撃役、3班は防御役でいきましょうか。それでは、模擬戦を開始します。1班は伝令役も兼ねてください。伝令役は優秀としましょう。それじゃあ、今日は新デイローレル侯爵家の領地を守り切る事に専念してください。それじゃあ、模擬戦を始めます」
敵の兵力は解らないようにしてある。そうしないと想定が甘いって事になるかもしれないからな。想定が甘かった時の対処も考えないといけない。そして、攻撃側に関しては、防御側の陣営は知っている訳だ。じゃあどうやって崩すのか、それを考えないといけない。
戦争は、相手の嫌がることを全力でやることが必要なんだ。だから、相手が嫌がることを想定して動かないといけない。それが今回の模擬戦の意味だ。攻める側も、守る側も、相手を全力で封殺しにかかってくるはずなんだよ。それを伝令役が、どっちが勝った方が妥当かを決める。そう言った模擬戦だ。なるべく本当の戦争に近づけるようにしてあるんだよ。どちらが勝つのかは伝令次第なんだよ。




