王城での取引
OFUSE始めました。
https://ofuse.me/rukea
ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。
https://rukeanote.hatenablog.com/
さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。
https://twitter.com/rukeanote
王都での戦後処理は、中々にスムーズに行われた。領地の主権は奪った側のものであり、それを揺るがすことは禁ずるという主張。そして、両者の合意があれば、奪った町の交換は有りだと。そう言う事で話が進んでいった。こちらが奪われた地は3つ、対して向こうが奪われた地は54だ。とてもじゃないが釣り合わない。だが、海岸線を1つ抑えられたのは不味かった。向こうも交渉を強気で行っている。確かに海岸線を採られたのは痛恨だな。面倒な交渉になることは必至だった。
結果は、向こうが3返すのに、こちらは7返すという結果に終わったが。まあ、想定の範囲内ではある。この結果はある意味こちらの負けだ。重要拠点を1つ落とされてしまったという落ち度がある。戦略を用いて何とかしていた時は無事だったんだから、その後に落とされたんだろうなと言う事が解る。戦力の配置に失敗したのか、想定以上の兵力を投入してきたのか。それは解らない。だが、結果はそう言う事である。結果は結果だ。受け入れざるを得ないとは思うな。
ただ、領地に関してはそれで良かったんだが、捕虜の扱いについてはかなりの時間を要した。捕らえられたのはサクリダ侯爵家の関係者、ロッテルベル伯爵以下一族、ケインズ子爵以下一族、その他準男爵家という風になっていた。他にも伯爵家の誰かが捕虜になっているなど、色々とあったんだが、メインはこの3つの家と準男爵家。落とされた準男爵家は数多くある。それらの1つにビューヘルム準男爵家がある訳なんだが、無事に買い取りがされるのかどうかだな。準男爵家は、貴族であって、そうではないという感じの立場である。領地は2000人程度しか居ないし、そもそも数に数えられていないんだから、仕方がない事ではあるんだよ。町なんて1つも持っていない。多くても、村が6つか7つである。そんな領地を誰が欲しがるというのか。まあ、管理は簡単に出来るから、領地は欲しいか。問題は貴族家を何処まで買い取ってくれるのかだな。法衣貴族としてでも生き残れれば儲けものである。ケインズ子爵家もロッテルベル伯爵家も大量の準男爵家を抱え込んでいた。それがどうなるのか、見物ではあるんだよな。
「では、バグレス準男爵家の引き取りは誰が行うのだ? 申し出よ」
「ふん。準男爵家の引き取り手など居るものか。所詮は準男爵家よ」
「然り然り。特に見どころも無い様な捕虜を連れてくるものではない」
「処分などどうでもいいではないか。我らには関係ないな」
「誰も引き取らんのか? そんな事で、よくも派閥などと言えたものだな。仲間の貴族家を助けることも出来んとは。嘆かわしい」
「所詮は魔族排斥派なんぞその程度よ。貴族家の風上にも置けん」
「金にしか興味が無いからこうなるのだ。裏切るなら今の内ぞ?」
「貴様ら、我らを愚弄する気か!」
「要らぬというのが解らんのか。所詮は準男爵よ」
「その準男爵の前でぬけぬけとよく言う。今後の身の振り方を考えるべきではないか?」
「さよう。魔族救済派であれば、助けられるやもしれんというのに……」
とまあ、こんな感じである。流石に伯爵家の処遇や、子爵家の処遇は簡単に終わったんだが、準男爵家となると、途端にこれである。そもそも買い取らない宣言をしたり、準男爵家は貴族ではないと言い張ったり。終いには処分なんかには興味がないとまで言われてしまっている。準男爵家の立場は、それ程に弱いのだ。その様が見て取れた。俺たちも準男爵家である以上、こうやって切られてしまう可能性は十分にあり得ることではあるんだよな。まあ、仕方がない事ではあるんだけど。
「なんか、準男爵家の扱いって、あまり良くないですね」
「それは当然だな。俺たちは何も成していない貴族家なんだから。準男爵家というのは、貴族として認められるかどうかのギリギリの爵位だ。今回のように、切り捨てられることは往々にしてあり得ることではある」
「だから、寄親との仲が良くないといけないんだよ。それだけの利益を出していないと、準男爵家なんてまた作れば良いんだからね。絶対に必要な家なら、買い取ってくれるのさ。……あんな風にね」
その先では、準男爵の買い取りが成立したところであった。金はニコニコ現金払い。その為に多額の資金を持ち込んできているのだ。……買おうと思えば、俺たちでも買えるだけの金額ではある。まあ、魔族排斥派なんて買っても意味が無いからな。買わないけど、買えるってだけの話である。
どんどんと捕虜の説明をしていく。……そこにはビューヘルム準男爵家の名前もあった。誰も買わなかったけどな。まあ、そんな準男爵家があるなんて、誰も知らないだろうからな。仕方がない事ではあるんだけど。知っているヨナターク子爵家が買わなかったんだから、買い手なんてつく訳もなく。他の準男爵家でさえ買い手がつかないのが殆どだというのに、なんで買い手が着くと思っているのか。着くはずがないじゃないか。まあ、別に良いんだけどな。良くて禁固刑、悪いと即処刑だろうな。暫くは生かすのかもしれないけど、維持費も馬鹿にならないんだから、普通に処刑でいいとは思うんだけどな。その辺は王族に任せるしか無いんだけど。
買い手がついた家に関しては、多額の資金を支払って、買い取られて行った。まあ、殆どの家が買い取られなかったと考えれば、かなりの貴族の喪失になるだろう。それでも運営は出来るんだろうから問題はない訳で。問題があれば、もっと早くに声をあげるべきである。統治に関する知識を持った奴隷程度にしか思われていないことは明らかだからな。まあ、普通に買い取ってくれれば良いとは思っていたんだけど。因みに、こちら側の捕虜は、全員買い取っていたぞ。準男爵家も含めてな。だからこそ、向こうの貴族家をいびっていたのだが。
貴族とは言っても、準男爵家では、どうしようもない事が解ったよな。今後はどうやって男爵家になれば良いのか。それを考えないといけないだろう。準男爵家のままでは、見捨てられる可能性があるんだから。ヨナターク子爵家が買い取ってくれるのかという疑問がある訳で。買い取ってくれるという確約が無い以上は、捕まらないようにしないといけない。何とかうまく立ちまわないといけないと言う事が解った。必要以上に目立つことは許されない訳だ。そんな事をしたら、確実に殺される。そんな事は嫌だからな。
でも、存在感を示さないと、こうやって誰にも買われないって事が起きる訳で。価値を示し過ぎても殺され、示せなくても殺される。可能であれば、男爵家にランクアップしなければならないんだ。そのくらいは出来ないと、かなり厳しい事になる。出来れば、色々と考えておかないといけないんだろうな。勝利とは、時の運も関わってくるからな。確実に勝てると言う事はない。確実に負けると言う事も無いが、それでもギリギリのところであると言う事もままあるだろう。その時に備えておかないといけないだろうな。
自分たちの価値を高めておく必要がある訳だ。それは簡単な事ではない。有事の際に、どうやって動けるのか。それが肝心になってくるからな。その為には、色々と準備をしておかなければならない。こっちにだって価値はあるんだって事を示しておかなければならない。色々と大変だよな。こうやって捕虜として捕まえられれば、抵抗は一切できなくなるんだし。生き残ることを考えれば、どうしてもある程度の価値を示さなければならないんだけど、これは結構難しいぞ。




