盤面遊戯
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秋の26日。デイローレル侯爵家から、各所に命令が飛んだらしい。カーマイン伯爵家をまずは落とせと。辺境伯家にも援軍の要請をしたらしいので、直に落ちると予想されている。本気で全力で落としにかかっているはずだ。王都と海の確保はしつつになるが、大半の戦力が動員されたらしい。何とか俺たちが内戦を始める前までには落として欲しい所である。
そして、今日も今日とて、軍の話し合いである。何故か。ヨナターク子爵家から、戦況を見ながら、献策をしてくれと言われたからである。……あのさ、俺は準男爵家の当主でも無ければ、軍事顧問でも何でもないんだけど。けど、盤面で語れる軍師的なポジションが居ないらしい。そこは徴用しようよ。こういうのは魔族の特権だぞ。長寿種が活きるところじゃないか。魔族救済派が何をして居るのか。そういう所にこそ、魔族を使うんだよ。寿命が長いんだから、そう言う事を考えさせるんだ。寿命が短い人間が考えるよりも、歴が長い軍師の方が良いに決まっているじゃないか。偶に天才と言われる軍師も出てくるかもしれないが、そういう人材は探して雇用をするんだよ。完全に貴族の頭の中が脳筋だった。盤面で考えろよ。戦略を組み立てるのであれば盤面は必要だよ。戦術に関しては、現地で何とかしなければならないが、戦略に関しては机上でやるんだよ。戦略を現地で立てていたら、間に合う訳がないだろうが。
「であるからして、向こうが盤面で考えてこなかった場合はですけど、ここの戦力はここに向かう訳です。近場に行くのであれば、間違いなくここです。ですので、ここにも戦力は配置しないといけない訳なんです。そうしないと、ここが取られてしまっては、物流に関わってくるので、ここを何とかしたい訳なんですよ。なので、ここの確保は絶対にしてくださいと書いておいてください。可能であれば、ここから戦力を引っ張っていってください」
「ここから持っていくのかい? 結構遠いとは思うけど……」
「遠いです。ですが、こっちの戦況は安定しているんですよね。多分ですが、こことここの戦力は足したら同じくらいです。なので、ここに援軍を向かわせるくらいなら、こっちに振り分けた方がいいです。ここは絶対に取られてはいけない場所なので、厚く盛っておくくらいでいいんですよ。それと、ここなんですけど、ここに戦力が集中しすぎるので、集中するくらいなら、ここから攻めて欲しいんですが、ここって要塞なんでしたっけ?」
「ここは要塞都市だね。ここの防御を崩すのは、結構難しいみたいだよ。こっちに書いてあるから」
「それならここの戦力はこっちに向かわせてください。こっちから要塞を囲みこむ様な形で領地を広げていきます。こっちならとれるんですよね?」
「そっちは普通の町だね。だから、防御は弱いと思う」
「ならこっちに向かわせます。そして、こっち側が高所になる訳ですから、断然有利になります。ここからこの要塞都市を落としてください。こっち側で、補給を断絶させるので、粘り勝ちでもいいんですが、高所を抑えられるのであれば、速攻でも何とかなります。戦力的には1.5倍もあれば落とせますよ。正面から攻めなければ、何とかなります。何とかならなくても、補給が出来なくなれば、戦う事は出来ないですし、ここは確定で落とせます。もしも、戦力に不安があるのであれば、ここの戦力を使ってください」
「ここの戦力を使うの? でも、ここは守らないといけない土地なんだよ?」
「ここが落ちれば、ここを狙うにはこの山を超えるしか無いんですよ。そんな事は、大軍では出来ません。なので、ここの防衛は、こっちが落ちるなら、半分でも十分です。なので、こっちを攻めてくださいって書いておいてください。そうしたら、この辺一帯が落ちるので、ここをこうすれば、ここは守らなくても良い訳ですよ。だから、その戦力をこっちに寄こしてください。あ、ここが落ちたらですよ? ここが落ちた時点で伝令を出してください。ここの戦力が無駄になるので、ここに配置します。で、この頃になったら、ここが落ちている筈です。ここが落ちたタイミングで、こっちの兵士は必要なくなるので、ここを攻めてください。ついでに、こことここの兵士をここに配置換えをして下さい」
「ここはどうするの?」
「そこはここから落とします。こっちからなら簡単だと思うので。地形がこうなっているんですから、ここはこっちからここに攻め込みます。で、ここの兵士はここに移動させます。後はここの守りは捨ててください」
「ん? 守りを捨てたんじゃあ駄目なんじゃないのかな? ここはここに通じるんだよ? だからここは守らないといけないんじゃない?」
「いえ、ここは守りません。何故ならこことここが隣接しているからですね」
「うん。だから守らないといけないんじゃないかなって。ここにも兵を置かないといけなくなるよ? それは無駄なんじゃないかな?」
「一見そう思うかもしれないんですが、地形が正しければ、ここの守りは無理なんですよ。こことここから兵力が集まってくる事が予想されるので、ここの地形だと守りにくいんですよね。なので、ここは捨てます。守りません。その代わり、ここが落ちたら、この3か所から攻め込みます」
「あれ? 守らないのに攻めるの?」
「そうです。守りませんが、攻め込みます。ここで防衛をしてくれる方がいいんですよ。ここは何処から攻めても攻めやすぎるんです。なので、攻撃側が有利になります。なので、ここで一気に落として兵士を処理します。そうしたら、ここから撤退してもらって、またここを空にしてもらいます」
「ん? 落としたのに、空にするの? それじゃあ何のために落とすの?」
「ここで敵兵の処理をするキルゾーンを作ります。ここが取られたら即座に攻め落とすんです。そして、またここを明け渡します。そうする事で、無限に敵兵を呼び込めるわけですね。まあ、向こうがどう考えてくるのかなんて知らないですけど、こことここの兵士はここに来るわけですから、処理させてもらって、こっちからくる援軍も、ついでに処理してしまえばいいんですよ。まあ、勝つことが前提ですけど、そもそも場所さえ選べば、勝率は8割を超えてくると思うんですよね。8割を超えるなら、まあ、まずこの動きになるんですよ。問題があるとすれば、ここなんですけど、ここはさっきも言ったように死守します。ここだけは取られたら駄目なので」
「うーん。まあ、言われたとおりに書くけどね。なんでアーミンはこんな事が得意なんだろうね?」
「地図が読めるなら、この位はやって当然の話ですよ? 特に戦争をするのであれば、知っておかないといけない事だと思うんですよね。なので、コンラート兄さんは別に知らなくてもいいんですけど、国の偉い人たちには知っていて貰わないと困るんですけどね」
そもそも準男爵家の末席の俺の意見を聞かないといけないくらいに戦略が薄すぎるんだよな。俺に戦術は無理なんだ。戦術は解らない。だって、やったことが無いもの。でも、この位ならやったことがあるんだよ。ゲームで散々な。こっちに配置すれば、ここで落とせるって事はやったことがある。盤面遊戯なんて誰でもするじゃないか。将棋だって囲碁だって、盤面遊戯なんだからさ。それと同じことをやっているだけだ。得意も何も、ある程度の知識があれば、この位は出来て当然なんだよ。寧ろ軍属で出来ない方がおかしいんじゃないだろうか。そのくらいの知識だぞ?




