内戦の相手はどんな感じ?
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ダンレムさんとは、当たり障りのない事も普通に話していた。基本的にはあの場ではコンラートが話をするんだし、俺が話をするのは稀なんだ。だから、こうやってしっかりと話をするのは、ある意味初めてなんだよな。まあ、聞きたいこともあったし、しっかりと聞いた方がいいのは確かではあるんだけどさ。
「王都までは、魔族救済派の領地が続いていますからね。商売に関しては困りませんよ。まあ、魔族排斥派の方にも、商売は行くんですがね? その時は人間だけを使えばいいだけですので」
「ああ、それでいいんですか。まあ、そうですよね。人間だけで行けば追い返されませんか。……ところで、聞きたかったことがあるんですけど。奴隷商売って何処かやっているんですか?」
「……また面倒な所に話が飛びましたね。奴隷ですか。……無くはない、とは言っておきましょうか。ですが、スラムの人間をそのまま連れていっても、そこまでのお金にはなりませんよ?」
「いえ、売るのは敵兵なんですよ。今回の内戦で、敵兵は捕虜にならないとは聞いているんですけど、それなら奴隷として売れるんじゃないかなって思いまして。その販路があれば、教えて欲しいなとは思ったんですが」
「ふーむ。どうしましょうかね……。正直に言えば、奴隷を扱っている店はあります。ヨナターク子爵家の領地内には無いのですが、別の領地に行けば、奴隷を扱う商会がありますね。殆どが剣闘奴隷になりますが。しかし、敵の兵士ならどうかというのは、まあ、有りではありますが、止めた方がいいでしょうね」
「それは、魔族排斥派の方でしか、奴隷貿易はやっていないからですか?」
「おや? そこまで思考が回っていましたか。そうです。奴隷を扱っているのは、魔族排斥派になります。勿論ですが、そこから今回の戦争にも人を出してくるでしょうね。活躍すれば、奴隷から解放されるとして、強制的に戦わせることが多いとは思いますよ」
「そうなると、捕虜を売るにしても問題がありますか。敵の戦力の補充になりますもんね」
「そう言う事ですね。ですので、止めておいた方が無難ではあるでしょうな。勿論、お金を稼げることはそうなのですが、連続して内戦が起きる可能性もありますので」
「うーん。それなら敵の貴族だけを狙い撃ちするしかないですか。ケインズ子爵家について、色々と聞きたいんですけど、ヨナターク子爵家との因縁がどの程度あるのか、ですね。それによって、どの程度の戦力を配置してくるのかが決まるとは思うんですけど、それはどんな感じなんですかね? 明確な敵対認定を受けているのかとか、はっきりとした因縁があるとかですね。何かしらこちらに有利な事があるとか、そういうのがありませんかね?」
「そうですね……。ヨナターク子爵家に対して、敵意を向けているのかと言われたら、向けているでしょうな。特に今からも行いますが、勝手に魔族を移民として受けいれていますからな。それはそれは憎いでしょうね。結局は、スラムで飼い殺し状態にしている訳ですよ。なんでそんな事をするのかというと、明確に殺してしまうと、後々面倒になるから、ですね。明確に殺してしまえば、それは魔族と完全に敵対する事になりますから。兵士の数よりも、魔族の数の方が多い訳です。それが完全に敵対してしまうと、反乱を起こされたら、負ける可能性があるのですよ。ですので、生かさず殺さずを徹底して行うのです。反乱するくらいなら、何とか生きながらえた方がマシだという風に考えさせるわけです。そうやって、魔族をコントロールする訳ですな。まあ、そんな事をするくらいなら、追い出せばいいだけだとは思いますがね。それが出来ない風潮が、国にある訳ですから。今回の内戦で、魔族排斥派がやりたいことは、北の海を押さえるか、国王の交代ですからね。それを狙って内戦を起こす訳ですが、確執は何処にでもあります。それは、ヨナターク子爵家に対しても大きな事ではありますね。ですので、割と本気でアーセスを攻めてくるとは思いますよ? アーセスは、ヨナターク子爵家の防衛拠点になりますから、ここが落とされれば問題が大きくなりますからね。そこで食い止めておきたいというのが本音でしょうな」
「と言う事は、割と本気で攻めてくると。そう言う事ですか?」
「割と本気で落としに来るでしょうね。特にコルバルは向こうの要塞都市ですので、出陣は少ないかもしれないですが、レイボスに関しては、隣接している敵対派閥はアーセスのみになりますからね。こっちから結構な数が流入してくるはずです。コルバルはカージェス子爵領とも隣接しておりますからな。2か所から、要塞都市を攻略する事にはなるとは思います。ですが、カージェス子爵領は、他にも戦線を抱え込んでいるので、コルバルを本気で落とすのかと言われたら、難しいでしょうな」
「なるほど……。その戦況を変えるだけの戦力が必要だと、そう言う事でいいんですよね?」
「その通りですが……。オーテルージュ準男爵家にそれだけの軍隊があるのかと言う事になります。出せても100が限度ではありませんか?」
「いえ、戦力に関しては300から400は出せます。しかも、精鋭を準備しておくので、レイボスとコルバルについては落としてしまおうかなとは思っていますね。敵の戦力が、2000を超えてくると、少し厳しい所があるんですけど、どの位になりそうですか?」
「そこまでの戦力が出せるのですか? もし出せるのであれば、いい勝負をするでしょうね。敵については、レイボスで300。コルバルは500程度だと思います。レイボスであれば、何とか攻め落とすことが出来るのではないかなとは思いますが、コルバルは厳しいのでは? 仮にも要塞都市ですからね。防御はガチガチに固めてくるとは思いますよ?」
「それはそうなんですけど、今回の内戦って、何処までやっていいんですかね?」
「……というと?」
「完全にケインズ子爵家を落としてしまっても良いのかと言う事です。落としてしまってもいいのであれば、ある程度の事は出来ると思うんですよ」
全部落としてしまっても構わないのであれば、何処まででも落としてやるつもりで居るんだよ。子爵と言っても、10万人くらいの人口が精々である。であれば、普通なら全部で4000人くらいは兵士が居ることになるとは思う。それであれば、各個撃破をしていけば、町を全部落とすことくらいは可能だとは思うんだよな。
「ケインズ子爵家にある町は、いくつですかね? ヨナターク子爵家は7つだったと記憶しているんですけど」
「ケインズ子爵家の町は8か所ですね。それを全部落とすと言う事ですか?」
「そうなります。まあ、出来る範囲でやるので、簡単にはいかないんでしょうけど、その奥にも敵は居るんですよね? 防衛が薄いって事は、落としても問題ない土地だと言う事でしょうし、どんどんと落としてしまえばいいんじゃないかって思うんですよね」
「可能であれば、どんどんと落とした方が良いとは思いますが、そこまで上手く行きますかね?」
「策はあるので、何とかしてみせましょう。期待はしておいてくれると助かりますね」
戦術については、クルトに任せるんだけど、戦略に関しては任せて貰ってもいいんだよ。要するに、ゲームと同じだからな。要は勝てばいいんだ。それを目指して頑張る訳なんだけど、戦力が分散されているのであれば、そこまで難しい事にはならないはずなんだ。出来ることをやってやればいいんだろう? じゃあ、見せてやろうじゃないか。




