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ベリーベリーベリー  作者: ルケア


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離間工作

毎月1日は新作の日!

今月も新作を投稿です。

『反転の錬金術師』

https://book1.adouzi.eu.org/n6627lk/




OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

「……解った。ビューヘルム準男爵家見限り、そちらにつこう」


「クルト兄さん! その、いいんですか?」


「いいも何もないぞハインツ。家族を見限らないと、ドルト村に先はない。軍の指揮官というものは、ここぞという時の判断は即断即決するべきだ。状況が悪化するのを拱いていては問題なのだ。俺もまだやれることはあると思っている。だが、それはビューヘルム準男爵家に居ては不可能だと言う事なのだ。そう判断するほかない。……もっとも、これが離間計の可能性も考えた。だが、向こう側にメリットが無さすぎる。人間の兵士と、魔族の兵士。どちらが強いかと言われると、正直解らない所があるからな。勝ち切れるかどうかは解らない。だが、そもそも人口が向こうの方が上だ。そうだろう? こっちは3つの村を合わせて1000。戦力は多く見積もっても50と言ったところだ。そっちはどうなっている?」


「こっちは人口が1500、兵士30の狩人が390の、戦力は420ですね」


「……そこまで圧倒的な差があるのか。それでは刺し違えても勝てないと言わざるを得ない。やるだけ無駄だな。だが、狩人と言ったか? 兵士ではなく?」


「狩人ですね。冒険者の真似事をさせています。主に肉の調達係ですね」


「……なるほどな。訓練しなくても、魔族であれば、それなりに戦えると、そう言う事か」


「そう言う事ですね。そうした戦力は、纏めて狩人にさせました。麦は大丈夫なのかと言う事に関しては、大丈夫だと言わないといけないですね。肉と麦を交換していると言えば、解りますかね?」


「その手があったか。なるほどな。戦力を確保しつつ、安全を確保しつつ、食料も調達できるのか。確かにいい手だ。それをすれば、いや、出来れば、内政はもの凄く捗るだろうな。だが、それだと狩人の負担が大きくなる。獲物を狩れない時もあるはずだ。そんな時、麦を恵んで貰う事になるが、その辺の調整はどうしているんだ?」


「そうですね。こちらの内政方針をまずは話した方がいいかもしれないですね」


「そうしてくれるか? 思ったよりも解離がありそうだ」


 そんな訳で、社会主義的発展方法を説明した。簡単に言えば、皆で共有しましょうねって話である。まあ、中々難しいとは思うけどな。人というのは、欲望の生き物であるからだな。全てを共有しましょうという思想が受け入れられるのかどうかだ。受け入れられなければ、追い出すしかない訳で。それは魔族救済派としてではなく、貴族としてだ。それに反するのであれば、魔族であろうと、人間であろうと追い出すんだよ。そうじゃないと、理想の社会主義国は出来ないからな。全てが共有財産であるという思想は、中々に理解しがたいとは思う。今までは、100%自由主義でやってきたんだからな。こっちには魔族がいた。開拓中は、100%社会主義だったはずなのだ。その時の感覚を取り戻せば良かっただけなんだよ。だが、こっちには、既に世代交代が終わっており、入れ替わった人間しか居ない。100%自由主義から100%社会主義に変更するのは、かなりの難易度になるとは思うんだよな。


 それを、貴族として、強権を発動させて、皆を納得させるしかない。難しい事は解っているんだ。でも、やらなければ、足並みを揃えられない。こちらと主義が違い過ぎても、困るのはドルト村の人たちだけなんだよ。こちらと合わせ、皆で働くと言う事を覚えて貰わないといけない。皆のものは皆のものだと言う事を、納得してもらわないといけない。それが出来るかどうかは、正直、クルトの人望にかかっているといってもいいんだよな。豊かに生活できるように、切り替えていくしかない訳だ。かなり難しいとは思う。苦労はそれなりにあるとは思う。けど、やって貰わなければならない。


「……うーむ。全てを共有財産とする、か。言うのは簡単だが、実行しようと思うと、かなり難しいぞ? よくもまあ、それで納得させたものだな」


「こちらには魔族が大勢いましたからね。魔族たちは寿命が長いですから、開拓団の設立メンバーがまだ生きているんですよ。その時は、皆のものは皆のものでやっていたでしょうからね。その時に戻るだけだという感覚が大きかったんだとは思いますね。そうじゃなければ、納得は難しかったとは思います。それと、半信半疑でやってみたら、思ったよりも上手く行ったから、これなら続けられるんじゃないかって思えたのが大きいとは思います」


「なるほどな。魔族は寿命が長いからな。その面でも利益があった訳だ。……何とか説得してみせるが、税はどうしたんだ? どうやって集める?」


「100%を税で集めるんです。全てのものを税で集めて、それを再分配するんですよ。なので、実質税はかかってない様に感じるんですよね。自分たちの食べる分は、どうやっても確保が出来てしまうので。1人当たりどの位を支給すれば良いのかってのを考えるだけでいいんですよ。まあ、こっちには魔族が居るので、よく食べる人と、そうじゃない人が居るので、その辺も調整しないといけないんですけどね。まあ、やっている事と言えば、皆が食糧庫を使えるようにしただけなんですけど。そうすれば、各自必要な分だけを取っていくことが出来るようになりますよね? そもそも皆のものなんですから、誰かのものを盗んだとか、そういった話は出てこなくなりますから」


「……それは、余りにも難し過ぎやしないか? 皆を納得させるだけの材料が欲しいな……。そうしなければ、食料が足りなくなってしまう」


「それじゃあライ麦で良ければ、こちらから支援しますが、どうします? ライ麦であれば、食糧庫が一杯になるまで確保してあるので、問題ないですけど」


「暫くは支援を頼めるか? それと、肉に関してはどうしている? 流石に余った分は捨てるというのは勿体ないが」


「そういうのは纏めて燻製にして居ますね。保存が効くように、燻製にしてしまうんですよ。まあ、塩が沢山必要になるんですけど、それもこっちが持ちます」


「……何もかも済まないな。それと、本家との関係だが、どうするつもりなんだ?」


「本家とは、独立するので関わらなくてもいいんですが、ドルト村に関しては、ちょっと待ってもらっていいですかね? まだヨナターク子爵家がビューヘルム準男爵家を切ることは無いので、もう少し、そっち側についていて貰えると助かります。その方が楽が出来るので」


「……どう言う事だ?」


「……内密にお願いしたいんですが、魔族救済派と魔族排斥派の内戦が起きるんですよ。それが近年起きると予想されているんですよね。支援なんかはこっちがやるので問題無いんですが、表向きはビューヘルム準男爵家に隷属しているように見せかけてください」


「……なるほどな。俺が離反すると、軍備を整え始めるかもしれないか。そっちを落とすのは難しくても、ドルト村を落とすのであれば、可能だと思われるかもしれないと言う事だな?」


「そう言う事ですね。なので、離反は、内戦が始まってからでお願いします。この件については、ヨナターク子爵家から、ビューヘルム準男爵家には伝わらないので。派閥が違いますからね。その時に初めて敵対する事になるんですよ」


「実質は、既に離間工作を始めているがな。だが、ウルリケは誘わないと、そう言う事だな?」


「そうですね。面倒な事になりそうですから」


「解った。時期が来るまで、大人しく内政を整えておく」


「お願いします」


 これで、4分の2がこちらの味方になった。まあ、実質25対1くらいの戦力差にはなったんだけどな。これで負けはなくなった。

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