これからの移民計画
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そんな感じでレイミール商会のダンレムさんと話をしていた。移民について、今後の方針とかについても話をしていた。予定では、一気に大きくなる予定なんだ。だから、麦についても、ライ麦を育てるのがメインになる。こっちからは小麦は売れなくなりそうなんだよな。食料的に余ってこないと、小麦を作る余力が無いから。まあ、そんな事はどうでもいいんだけどな。こっちからは色んなものを変わりに売るんだから。税として、アタライ村に小麦を納めれば、後はどうにでもなる訳で。それもその内支払わなくても良くなるからな。後は順番に村を大きくしていけばいいのである。そうしたら、色々と出来るようになるんだよ。こんな土地でも、何とか村は作れるって事を証明しないといけないからな。
「ですので、今後は西に伸ばしていく予定ではいますね。東にも伸ばすんですが、それは橋がかかってからになります。フォーク村と隣接するのですが、その時はその時と割り切れば良いかなと思っています。そして、最終的には、その河川を遡上して、アラゴンに近づいていけるようにしたいなとは思っている所です。……道が2つ出来るようになる訳ですけど、そっちの方が良さそうなので」
「なるほど。壮大な計画ですな。後10年、いや、20年はかかるとは思いますよ? そのくらいは時間がかかる作業だとは思います。ですが、その場合、アラゴンでなくてもいいと言う事になりますね。レイミール商会は別にアラゴンを拠点としている訳ではないですから。別の町に繋いでしまうのもいいかもしれないです」
「確かに、そっちの方がビューヘルム準男爵家にはバレませんか。解りました。その辺については、何かしら考えておこうかなとは思います。アラゴンではなく、別の町であれば、色々とお力を借りることもあるかもしれないとだけは言っておいた方がいいんでしょうか? 河川を遡上していけば、他の町に辿り着くのであれば、それで良いかなとも思うんですが、どのように河川がなっているのかは不明なので、ある程度の情報を貰えればとは思います。情報の通りに進めていく方が、色々といいと思いますので」
「そうでしょうな。その時は協力をしても良いとは思います。道の管理はやって貰わないといけないでしょうけども。ヨナターク子爵家からの支援が受けられるのであれば、受けた方がよろしいですな。おっと、そういえば、アーミン様宛てに、ヨナターク子爵から手紙を預かっています。この場でお渡ししてもよろしいでしょうか?」
「ええ、どうぞ。アーミン、受け取って来なさい」
「解りました。お手紙をありがとうございます」
「いえいえ。ヨナターク子爵家としても、この領地が発展する事は望ましいですからね。我々も商売相手が増えることはいい事でもあります。今後とも、長いお付き合いになればなとは思っておりますので、こちらこそよろしくお願いしますね」
「こちらこそ、レイミール商会には助けられている。儲けが出ているのは、レイミール商会と取引があるからだ。それがなくなれば、領地として孤立してしまう。それでは問題が大きくなるだけなんだ。これだけの人口を支えるためには、レイミール商会の助けは必要だ。そもそも塩という戦略物資を抑えられている時点で、こちらの立場が弱いのです。レイミール商会が無ければ、この領地は成り立たないのですよ」
「それも特産品が出来たからでしょうな。レイミール商会としても、儲けさせて貰っている所ではあります。その為に、色々とする事は当然の事ではありますので。商会が大きくなればなるほどに、利益は必要になってきます。その利益をどうやって捻出するのかというのは、大きな課題でもあります。こちらとしてもいい取引をさせてもらっているのですよ。勿論ですが、競合相手が出てきたら、こちらも考えないといけないでしょうが、今のところは競合相手もいない所ですし、こちらとしても、大きな商売をやらせてもらっていますので、良好な関係を築けて行けばなとは思っている所です」
「特産品は、森を探索すれば、その辺に転がっているんですよ。それを今まで活用してこなかったのが間違いなんでしょう。森に入り、危険を承知で、何かしらを得ると言う事をやってこなかった怠慢でもあります。確かに、報酬が用意できない事や、それだけで生計を立てられれば、農業をやる人間が居なくなってしまうので、難しい所ではありますが。どうしても人というのは、儲かる仕事をしなければいけないという考えがありましたからね。その点、今の考え方では、商人は育ちませんが。自由に出来ることが少ないのが、この領地の特徴になりますしね。ですが、そうでもしないと、豊かにする事は出来なかった。たとえ商人が出てこないのだとしても、こうする他は無かったのだと、今になって考えれば、現状からの最適解はこれだったのだろうとは思います」
「自由に商売が出来ないのはマイナスですが、こういう環境です。商売よりも優先する事はあるでしょうなあ。特にそれで成功しているのですから、特段言う事は無いとは思いますが。……価値あるものを作る場合、知識を独占しないと、非常に不味い事になりますのでね。価値あるものを作れば、それ以外の村人と格差が出来る。それでは村としては成り立たなくなりますからな。知識が漏れ出てしまい、皆がそれを作り始めてしまえば、他の村に流出する可能性もありますし、そもそもそれを作っていれば、農作物を金で買えばいいという方向になってしまう。それでは不味いのは解っておりますとも。こちらとしても、知識は独占し、農作物を作って貰う事を良しとしなければ、食料が足りなくなってきますからね。そうなれば、麦の値段が上がり、平民が暮らしていけなくなってしまう。それでは、レイミール商会は生き残るかもしれませんが、ヨナターク子爵家の存続が危ぶまれてしまう。どうしても農業をやって貰う必要があるのですよ。割を食ってもらう人を作らなければならない訳です。それをどうやって許容するのかが問題になってくるのですよ。ライ麦を作るよりも、小麦を作る方が金になるのであれば、そちらを優先してしまうのは当然の事なのです」
まあ、それが自由主義だからな。自由主義が行き過ぎれば、食料の価格が馬鹿みたいに跳ね上がる。それは何とかして阻止しないといけない。食料の値段が上がらなければ、誰も食料を作らないというのは不味いんだ。食料が無ければ、どう足掻いても、人口は増えていかない。だけど、食料を作っているだけでは、生活が出来ないとなってくれば、必然と食料を作る人口が減っていく。そうなれば、食料の値段が上がるんだ。食料自給率が100%を切れば、食料の物価は際限なく上がる。
それで安さを求めて外国産のものに手を出すようになってしまうのだよ。自分たちの領地の食料自給率を下げてまで。そこまでなってくれば、領地としては破綻してしまうんだ。自分たちの食料を、自分たちで用意できないと言う事になってしまうからな。外国からの輸入が止まれば、必然的に飢える事になる。そんな領地では不味いのだ。
だから、社会主義にしてでも、食料を確保する必要があるんだ。利益を度外視してでも、食料生産は続けなければならない。というか、食料よりも価格が高いものを作るのを優先していては、領地として滅びるしかなくなるんだ。その辺も解らないといけない。その辺が解っているから、社会主義に手を出したんだから。




