71話 特別な日より
先生からのビデオメッセージ、生徒代表のスピーチ、市議会議員の祝辞。
特に面白みもないまま成人式が進んでいった。輝夜ちゃんの方もこんな感じなのかな〜。っていうか、輝夜ちゃんの中学時代ってどんなだったんだろう。気になる……。
記念撮影を終えたらフリータイムになった。私たちと同じクラスだった子たちで集まって、これからの話をしている。
「んじゃこれから飲みいく?」
「アタシまだ19なんだよね」
「気にしない気にしない」
「こら! 委員長の私が許さないよ!」
あはは……なんだか中学の教室がそのままここに移動してきたみたい。
「森野さん、心音、飲み会来る?」
意外と誘われた。中心人物でなくても誘われることあるんだね。
どうしようかな〜と悩む。するとスマートフォンに一件のメールが表示された。
『灯、私は直帰します。灯はどうしますか?』
輝夜ちゃんはそのまま帰ってくるんだね。じゃあ……
「ごめんね、これから用事があるから」
「あ〜! 灯ってもしかして恋人いる?」
「よ、よくわかったね」
「いやわかるっしょ! 透けすぎウケる」
「う、ウケるかぁ」
うん、私は成人の日も輝夜ちゃんと過ごしたいかな。思い出に浸るのもいいけど、やっぱり今を生きたい。
「んじゃ私は行こっかな〜、心音参加で〜」
「はーい! みんな〜! 心音来るってー」
心音の参加に向こうは少し盛り上がった。やっぱりギャルデビューすると自然と人気上がる感じ?
私は成人式の喧騒から一歩引き、帰路についた。
満足できる成人式かと言えば、そうじゃなかったかもしれない。
何かが変わった成人式かと言えば、そうじゃなかったかもしれない。
でも……
「お帰りなさい、灯」
「うん。ただいま! 輝夜ちゃん!」
今この人生は、きっと過去を振り返りたくなるようなキラキラした人生のはずだ。
来週から完結に向けて動き始めます。
時がかなり進みますがご了承ください




