67話 お鍋の準備!
「寒い!」
冬が本格化した12月頭。私はそうシャウトした。
「なんで叫んだんですか?」
「なんとなく? 気合い入りそうだったから!」
ただ叫びだけでは暖かくなることはない。暖房を入れても良いけど、できるだけ電気代は削減したいのが本音だからこたつで乗り切りたいところではある。
「そうだ! 輝夜ちゃん、スーパー行こ!」
「いいですよ。少し待っていてくださいね」
支度を済ませ、輝夜ちゃんと近所のスーパーという名の私のアルバイト先へ向かう。今日はお客様としてだけどね。
「いらっしゃ……あら灯ちゃん。デート?」
「そうなんですよ〜」
ただの買い物だけど、デート? と聞かれてふざけることができるくらいにはパートの主婦さんと仲良くなることができた。
「灯、今日はどうして2人で買い物に?」
「ふっふっふっ……寒い日には鍋だと思ってね! 去年やらなかったな〜と思って。今年はやろうよ!」
「なるほど鍋ですか。いいですね。でも私が来た理由は?」
「もちろん、鍋は自由度が高いからだよ! それゆえ鍋の味や具材を巡って喧嘩に……なんてなったら嫌でしょ?」
「喧嘩になんてなりますかね……」
食べ物の恨みは恐ろしいからね。もし輝夜ちゃんと鍋の好みが分かれていたら戦争になるかもしれないんだよ……。そんな怖いことになりたくない! だから一緒に来たってわけ。
「まず鍋の味からだよね〜。醤油ベース、味噌ベース……どれにしよう」
「私は味噌の方が好きですかね〜」
「えっ!? わ、ワタシモミソノガスキカナー」
「カタコトになってますが……」
ほらやっぱり! 好み分かれたじゃん! 私は醤油派だし。
「まぁここは輝夜ちゃんに譲るってことでお味噌で!」
「い、いえ! 鍋をやろうと言ったのは灯なので醤油で良いんですよ?」
譲り合い、話がまとまらなくなってきた。そんな時ふと視界に映ったのは赤いパッケージだった。
「輝夜ちゃん! これどう?」
「あぁ……いいですね! 身体が温まりそうです」
私はその赤いパッケージをカゴに入れ、次に具材を購入していく。白菜、豚肉、肉団子、もやし、えび、うどん。完成図を想像するとお腹が鳴りそう!
次回、鍋パーティーです!




