63話 20歳!
カミングアウトをして、ほとんどの子が元魔法少女だとわかり、それはもう気まずいのなんの……そんな夏休みを過ごし、季節は移り変わって秋。
今日は10月1日……そう、私、森野灯の誕生日です!
「おめでとうございます、灯」
「……おめでとう」
「ありがと〜♪」
今日は日曜日で大学もお休みということで、目一杯輝夜ちゃんとブラッディに祝ってもらえるね。
「でももう20歳か〜。実感湧かないな〜」
「事件を起こしたらもう実名が出る。注意して」
「なんでいつかは犯罪を起こす前提なのさ……」
でもまぁたしかに20歳というのは色々なことが変化する歳。ブラッディの言った通り、事件を起こせば名前が出るし、たばこも吸えるようになる。そして何より……
「まぁ1番はお酒だよね〜」
「……でもこの部屋に酒類はないけど、今から買いに行くの?」
ブラッディの問いかけに、私と輝夜ちゃんは目を合わせてふふっと笑ってみせた。
「私たちはね、初めてのお酒は一緒に飲もうって決めたの」
「だから私の誕生日である11月7日まで待ってくれるんです」
「なるほど、灯と輝夜らしい」
ブラッディも優しい笑顔になって理解してくれた。うんうん、持つべきものは理解ある友達だね。
「……というわけで11月7日までスキップ」
「ちょっと待って!? 誰に何を言ってるの!? 今日は私の誕生日なんだからもう少し祝ってよぉ!」
「……なるほど」
だめだ、やっぱりブラッディはたまに理解できないことを言うね。
「というわけで私からのプレゼントです。開けてみてください」
「ありがと〜…………あっ! エプロン! それもこれ、手作り!?」
輝夜ちゃんから貰ったものはエプロン。私のマイカラーと言っても過言ではない黄色をベースにした、可愛いエプロン。ところにより糸のほつれが見えるところがまた愛らしい。
「はい。あまり得意ではありませんが……灯のために頑張って作ってみました」
「ありがとー! 絶対汚さない! 汚さずに人生の最後まで使い続ける!」
「それではエプロンの意味がないような……」
いつのまに作ってたんだろう。すごいな〜、気がつかれることなくプレゼントを作れるって。私が抜けているだけ?
「……私からはこれ」
「これは……『まんがダイヤきらきら展』のチケット……?」
しかも3枚。
ブラッディに確認するために見てみると、親指をグッと立てていた。これは要するに……
「あぁ、一緒に行こうってことね」
ちゃっかり私の誕生日を布教に使いおって……まぁ、これはこれでいっか♪




