62話 気まずい空間
一通りわーきゃー言った後、とりあえず私たちは全員落ち着いて座ることに。
「え〜、ここからは一般の人間代表のウチがこの場を仕切らせてもらいます」
私たちも一般の人間なんだけど……というツッコミを入れされてもらえることなくユウが司会を買って出た。
この混沌とした世界の司会に立候補するって、ユウもかなり強い子だよね。
「とりあえずブラッディは吸血姫ってので間違いないんよな?」
「……うん。元魔法少女たちには助けられたあの日のこと、感謝している」
あの日のことっていうのはきっとディスポンとの戦闘の日のことだね。ずっとそれを言いたかったんだろうなぁ。
「ほんで鋏は【インファントシザース】? っていう魔法少女やったんねんな?」
「えぇ。最強の魔法少女だったわ」
かなり盛られている気がする……けどいいや。
「桜ちゃんと近衛ちゃんは一緒に行動してた【ドレスチェリー】と【テールインペリアル】って魔法少女やったんよな?」
「はい」「そうでござる」
今聴いたら納得だよ。「ござる」口調の子なんて近衛ちゃんしかいないじゃん! なんで気が付かないんだろう。認識阻害ってすごい!
「ほんで、灯と輝夜さんが【ハニーランプ】、【ネイベルナイト】でいいんよな?」
「うん。合ってるよ」
「はい。その通りです」
ユウによる確認作業を終えるとシーーンと部屋は静まりかえってしまった。気まずい……。
「なんでみんなそんなに気まずそうなん? 昔戦っていただけの仲なんやろ?」
元魔法少女全員の肩がビクッと震えた。
ユウの認識は半分正解で半分足りない。私たちは戦ってきたけど、それと同時にお互いにえっちなことを仕掛けてきた仲。だから気まずいし、少なからずのぐぬぬ感がある。妹の彼女である近衛ちゃんにコスプレさせられていた私の気持ちがわかる!?
まぁでもまだここにいる人たちはまとも寄りでよかった……かな? ダークネスラブとかテンタクルバインドとかだったらと考えるだけでゾッとする。
「ゆ、ユウさん。私たちは過去に色々な若気の至りがありました。そのため私たちは魔法少女であることを隠したかったんです」
「そ、そうなんだよ。色々あってね……」
「肝心の色々の部分が何一つわからんやん!」
「…………」
ブラッディも黙り込んでいる。この子もこの子で色々あったからね。
「まぁ……ええわ。色々あったんやろ? その色々はまたいつか気が向いたら教えてや」
「う、うん! もちろん!」
こうして私たちの予想をはるかに超えたカミングアウトは終了したのでした。




