60話 吸血姫さんに聞いてみよう
「……といってもどう言おうか。メールでってのも変だよねぇ」
私たちが元魔法少女であること、それからブラッディのことについて友達に打ち明ける。そう決まったのはいいけど、どうやってそれを実行するかは難しい。
近衛ちゃんが作った肉じゃがを食べながら考えていると、そういえばと一つ思いついた。
「そもそもブラッディのこともみんなに伝えるならブラッディも呼んで考えた方がいいんじゃない?」
「たしかにそうですね。ではまた明日考えますか?」
「いや、あの吸血姫なら……おーい! ブラッディ!」
「いや、そんな呼びかけで出てくるはずが……」
ニュルッと私たちの部屋の空間が歪み、渦を巻いた。そしてその中から……
「……呼んだ?」
白い美少女が出てきたのでした。もう呼ぶだけで出てくるようになっちゃったか。
「ブラッディって暇なんですか?」
「そんなわけない。今だってアニメを観ていた」
「暇じゃないですか……」
吸血姫も夏休みを満喫しているってことだね。まぁこの子は寝ないから夏休みとか関係なしにアニメをリアルタイムで観ていそうだけど。
「それで何の用事?」
「えっと……桜や近衛ちゃん、ユウに鋏たちに私たちの正体について教えておこうと思って」
「………………………………なるほど」
「なんか今すっごい間があった気がするけど!? 乗り気じゃなかった?」
「いや……ちょっと反応が気になっただけ」
ブラッディはブラッディで思うところがあるみたいだね。まぁそれも当然だろうけど。
それでも反対してくる様子はないし、このまま打ち明ける方向で話を進めてもいいかな?
「どうやって打ち明けるか悩んでいるんだよね〜。何かいい案はある?」
「普通にこの部屋にみんなを呼んで伝えればいい。変に畏まる必要はない」
「なるほどね〜。たしかにそうかも」
「部屋に呼ぶという発想はなかったですね」
う〜〜ん、誰かに盗み聞きされる危険性もないし、それならこの部屋でカミングアウトするのが1番かな? うん、そんな気がしてきた。
というわけでメールでみんなに日曜日に私たちの部屋に集まるように呼びかけた。
桜からは先に内容を教えろ! と詰められたけどなんとか回避した。これぞ、姉の威厳! ドヤ。




