57話 アルバイト研修生
2年生の春学期も順調に進んで、5月。ちょっとだけ雨の香りがする季節がやってきました。
授業日からすぐにショッピングセンターに走った桜と近衛ちゃん。いい感じに近衛ちゃんをコーディネートしてお洋服デビューさせてあげられたみたい。良かった良かった。
さて、そんな私は今アルバイト中です。アルバイト始めてもう1年になるのか〜、早いな〜。
レジ打ちも品出しも慣れた。何よりたまにシフト中に輝夜ちゃんや桜、近衛ちゃんが買い物に来てくれるのが嬉しい。たまに理不尽に怒ってくるお客さんもいるけど、そこはまぁなんとかやってるよ。
「灯ちゃん灯ちゃん、店長が呼んでいるから裏行ってくれる?」
「あ、はい。わかりました!」
おばさんから店長からの呼び出しを知らされた。何かしたかな、私。
恐る恐るバックへ向かうと店長と、そして白い髪に赤い瞳を持った美少女が立っていた。……というか見知った顔だった。
「森野さんごめんね。この子、ゴールデンウィークだけの短期で入りたいんだって。だから初期教育してもらえるかな?」
「教育係……私がですか?」
「うん! 森野さんももう1年だしね、大丈夫でしょ。私やパートのおばさん連中は自分のことで手一杯だしね〜」
確かに店長やおばさんたちは私の業務より複雑なことをしている。でも私が教育係って……私の方が教育されそうなくらいなのに。
しかもゴールデンウィークの短期で入りたい新人って……
RRRRRRRRR
電話が鳴り響いて店長が受話器を取りに行った。そこで白い美少女と2人きりになる。
「……なんでここに? ブラッディ」
白い美少女とは私しかいないとばかりに当たり前にブラッディが立っていた。
「いや……恥ずかしい話、少し散財をしてしまった。リリチル全期特装版を観賞用・保存用・使用用の3つ買ったら思ったより日本円が消え去った」
「おバカなのかなぁ!?」
「そして来月は星天子のイベントに行きたい」
星天子? あぁ、リリチルの声優さんね。
オタクさんが同じ商品を3つ買うというのは都市伝説だと思っていたけど本当にそういう人いるんだね。
「……灯が私の教育係でよかった。気兼ねなく働ける」
「それはいいんだけど、なんか不思議」
ブラッディは美人だから何を着ても可愛い。でも同じエプロンを着ているとなぜか違和感の方が勝ってしまう。何でだろうね?
「というわけでご教授お願いします、灯先輩」
「う、うん。まぁいいけど」
「次回、ブラッディのアルバイト研修」
「誰に何を言っているの!?」




